フィリピン金利低下続く、超低水準に

2013/04/01

短期国債落札利回り、全て史上最低
1日の入札で91日物0.04%、1年物0.307%

 4月1日に、今年4回目のT-BILL(短期国債)定期入札が実施された。

  この日の入札において、市中金利の指標の一つである91日物の落札利回り(加重平均、以下同様)は0.040%で、前回3月4日の0.080%から4ベーシス低下した。そして、前々回2月4日に記録した過去最低利回り0.050%を1ベーシス下回る史上最低の利回りとなった。
 
 これまでの国内外での金融緩和、高水準の市中流動性、急ピッチの外資流入、インフレ率沈静化にくわえ、先週の有力格付機関フィッチによるフィリピン格付の投資適格への引き上げなどを反映した結果となった。この日の91日物での調達予定額40億ペソに対し、応札額は69億8,000万ペソ、落札額は予定通り40億ペソとなった。

 この日の182日物落札利回り(加重平均)は、前回記録した過去最低利回り0.270%からさらに5.4ベーシス低下し、史上最低の0.216%となった。

 364日物入札に関しても、同26.3ベーシス低下し0.307%となった。そして、昨年11月26日に記録した0.549%という過去最低記録を大幅に下回る史上最低の利回りとなった。すなわち、3種類ともに落札利回りが史上最低となったのである。

 最近の中長期債入札においても各々史上最低利回りを記録、下表のように、市中金利も歴史的低水準となっている(13年4月1日のフィリピン財務局取引記録などより)。

フィリピン主要金利推移(年間平均値、単位:%、直近値は利用可能な統計での最新値)

項目 03年 04年 05年 06年 07年 08年 09年 10年 11年 12年 直近
91日国債落札利回り 6.03 7.34 6.36 5.35 3.41 5.39 4.19 3.73 1.37 1.58 0.040
182日国債落札利回り 6.95 8.32 7.67 6.15 4.18 6.19 4.40 3.97 1.69 1.76 0.216
364日国債落札利回り 7.49 9.22 8.68 6.96 4.92 6.49 4.59 4.26 2.26 1.97 0.307
1年超定期預金金利 8.03 8.18 6.03 5.01 3.06 3.96 2.50 2.07 2.03 1.81 1.59
銀行平均貸出金利 9.48 10.07 10.15 9.71 8.68 8.76 8.54 7.67 6.63 5.65 6.21

(出所:財務局資料等より作成、1年超定期預金金利は13年2月、銀行平均貸出金利は13年1月の平均値)