ユニクロ、テニスのノバク・ジョコビッチ選手と連携

2013/03/27

世界の子供の夢支援プロジェクト実施へ
フィリピン貧困層向け自立支援施設など8件

 ユニクロは2012年10月に、柳井正代表取締役会長兼社長とユニクロのグローバルブランド・アンバサダーである世界No.1のテニスプレイヤー、ノバク・ジョコビッチ氏の共同発案によるプロジェクト「'Clothes for Smiles'(クローズ・フォア・スマイル)プロジェクトを発足させ、世界中から子どもたちの夢を支援するアイデアの募集を実施した。

 そしてこの3月25日に、世界46ヶ国、739件のアイデアの中から、最終選考を通過した8つのアイデアが発表された。選ばれたアイデアは、2012年秋冬のヒートテックとウルトラライトダウンの売り上げから拠出された計10億円のファンドのうち5億円を原資とし、発案者との協議を進めながら4月より順次実施に向けてプロジェクト化してく。プロジェクトの進捗状況は、定期的にWebサイト等で発信していく予定である。

 今回のアイデアの選考に関わった審査員は、柳井正氏、ノバク・ジョコビッチ氏、ムハマド・ユヌス氏(ノーベル平和賞受賞者)、川井郁子氏(バイオリニスト・作曲家)、安藤忠雄氏(建築家)の5名である。

<最終選考を通過し、実行される8つのアイデア>
・フィリピンの貧困層の子どもたちが自立するための職業訓練・インキュベーション施設の設立 
・誰もが壁を相手にスポーツを楽しめる「UNIQLO DREAM WALL」の設立
・スポーツ、芸術、技術等の分野のプロフェッショナルによる、職業体験授業を実施
・セルビア難民センターの子どもたちに、お気に入りの服を買う社会体験をプレゼント
・優秀講師によるDVD授業で、途上国の教育格差を是正する
・アジアの子どもたちの識字率を高めるための図書館の設立
・命を脅かす病気や障害を持つ子どもとその家族が、穏やかな時間を過ごすためのホスピスの設立
・女子サッカーチーム設立を通じ、途上国の女児の自立を支援

<実行されるフィリピン事業の概要>
 株式会社ワクワークス・イングリッシュの山田貴子代表取締役提案による、ワクワークセンター(職業訓練&事業開発校)立ち上げなどである。その概要は以下の通り。

 子どもたち1人1人が持つ夢、生まれた環境に関係なくだれもが夢を実現できる社会を目指して、まずはセブの貧困地区ロレガにフィリピンのNGO GAWAD KALINGと連携し、ワクワークセンター(職業訓練&事業開発校)を立ち上げる。貧困層の学生たちを対象に、職業訓練だけでなく、新規事業を自分たちが立ち上げて行くようなインキュベーションセンターの役割も担える施設にしたいと考えている。
 そして若者だけでなく、この地区の貧困層の父親や母親8名とのプロジェクトWAKU MAMA CAFEをスタートする。彼ら1人1人も小額ではあるが出資をし、オーナーシップを持って運営していくカフェを2013年3月にオープン予定で動き出している両親がしっかりと誇れる仕事につくことで、子どもたちが学校にいけるようになり、また誇りを持って働く親の姿を見ながら成長していくことができると考えている。

<ノバク・ジョコビッチ選手のコメント>
 今回アイデアをご応募いただいた皆様には、心より感謝を申し上げます。皆様からの感動的で素晴らしいアイデアに、非常に大きな感銘を受けました。審査結果はゴールではなくスタートです。私も共同発案者として、アイデアの実現に向けてサポートを続けていきます。今回のようなプログラムは、継続することでより大きな効果が生まれます。Clothes for Smilesを通して企業と社会のネットワークが生まれ、世界を良い方向へと変えていく、そのような活動が広がっていくことを期待しております。

<ノーベル平和賞受賞のムハマド・ユヌス氏のコメント>
 社会的な課題の解決とより良い世界の実現を目指す、革新的で創造性にあふれるアイデアが数多く集まりました。全てのアイデアにオリジナリティがあり、人々の生活に変化をもたらす可能性を秘めていると感じます。世界を良い方向に変えるための取組みを進める皆様に、感謝を申し上げます。素晴らしい取組みが継続されますように!(13年3月25日の株式会社ユニクロのニュースリリースなどより)。