1月の失業率7.1%(前年同月7.2%)

2013/03/16

最悪は首都圏9.5%、中部ルソン9.1%
失業者の49%が若年層、17%が大卒者
不完全就業率20.9%(前年同月18.8%)

フィリピン国家統計局は3月15日、2013年1月の失業率(速報値:2000年国勢調査に基づいた人口予測を使って算出)が7.1%となり、前年同月の7.2%から0.1%ポイント改善したと発表した。

 2013年1月の15歳以上の人口(2000年国勢調査基準)6,368万2,000人のうち労働力人口は約4,080万人で、労働力参加率は64.1% 。就業者数は前年同月比1.6%増の3,794万人、失業者数は同0.07%増の289万4,000人。2013年1月の就業率は92.9%で前年同月の92.8%から0.1%ポイント上昇した。

 就業者3,794万人のうち、農業部門が30.4%、鉱工業部門が15.5%、サービス部門が54.1%を占める。サービス部門のうち、卸売・小売業、自動車・オートバイ修理業に従事する者が全体の18.9%と最も多かった。

 就業形態は、賃金労働者が労働者全体の60.2%(前年同月55.2%)、そのうち民間企業労働者は46.1%(同41.7%)を占めた。自営・事業主は30.4%(同33.2%)、無給家庭内労働者が9.4%(同11.6%)であった。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の65.1%(同62.1%)。

 不完全就業者(就業者であっても十分な労働時間に満たず追加の仕事を求めているパートタイム労働者)数は前年同月比13.1%増の793万4,000人(不完全就業率は20.9%)。
 
 失業者数289万4,000人のうち、15歳~24歳の失業者の割合は49.3%(前年同月48.5%)で若者の失業者の多さが目立つ。次いで25歳~34歳が29.5%(同30.2%)。また学歴別では、大学進学・卒業者の失業者の割合は30.0%(そのうち卒業者は16.9%)、ハイスクール進学・卒業者46.7%(同33.7%)。性別では男性63.6%、女性36.4%。

 地域別で失業率が最も高いのはマニラ首都圏で9.5%。以下、中央ルソン(9.1%)、カラバルソン(8.9%)と続く。失業率が最も低かったのは、カガヤンバレー(3.3%)。不完全就業率が高いのはビコール(35.0%)、最も低いのはマニラ首都圏、ミンダナオイスラム教徒自治区(ARMM)(13.4%)。一方、就業率が一番高かったのは、カガヤンバレー(96.7%)、最も低かったのがマニラ首都圏(90.5%)である。

 当地では、雇用統計は1月、4月、7月、10月と毎年4回発表されるが、今回2012年10月の労働雇用率、失業率等が算出された。なお、当地では10月は年末年始商戦に向けての一時的就業者増加効果で失業率が低下傾向となる。一方、4月は新卒者の労働市場参入により労働力人口が増加することで失業率が上昇しがちである。このように、季節的要因で失業率が季節毎に大きく変動することから、前年同月との比較でないとあまり意味をなさない(13年3月15日のフィリピン国家統計局発表より)。
    

 フィリピンの雇用・失業者動向(単位:千人)
項目  新基準の失業率など
年月  13年1月 12年1月
15歳以上人口 63,682 62,683
労働力参加率 64.1% 64.2%
就業者数 37,940 37,334
就業率 92.9% 92.8%
失業者数 2,894 2,892
失業率 7.1% 7.2%
不完全就業者数 7,934 7,018
不完全就業率 20.9% 18.8%
(出所・国家統計局資料より作成、13年1月は速報値)

 1月の地域別就業率・失業率の比較(単位:千人、%)
地域 15歳以上人口 労働力参加率 就業率 失業率 不完全就業率
マニラ首都圏 8,044 63.8 90.5 9.5 13.4
内陸自治区 1,144 66.9 94.6 5.4 18.4
1-イロコス 3,448 62.1 92.4 7.6 19.4
2-カガヤンバレー 2,265 65.0 96.7 3.3 15.6
3-中部ルソン 6,954 62.2 90.9 9.1 17.2
4A-カラバルソン 8,198 64.0 91.1 8.9 18.7
4B-ミマロパ 1,938 67.7 95.9 4.1 27.7
5-ビコール 3,814 62.8 94.2 5.8 35.0
6-西部ビサヤ 5,122 64.8 94.0 6.0 21.8
7-中部ビサヤ 4,841 64.8 92.6 7.4 19.4
8-東部ビサヤ 2,976 64.6 93.9 6.1 26.0
9-サンボアンガ半島 2,201 65.5 96.6 3.4 27.2
10-北部ミンダナオ 2,986 68.5 94.4 5.6 24.6
11-ダバオ地域 3,072 64.4 93.7 6.3 21.1
12-ソックサルジェン 2,679 66.0 95.2 4.8 27.5
カラガ 1,721 64.5 91.7 8.3 27.0
ミンダナオ・イスラム教徒自治区 2,280 58.1 93.0 7.0 13.4
フィリピン全体 63,682 64.1 92.9 7.1 20.9
 (出所・国家統計局資料より作成、13年1月は速報値)