住友商事、フィリピンの工業団地を30%拡張へ

2013/02/22

日系企業の進出加速や中国生産分散化に対応
 

 住友商事は、フィリピンで共同開発・運営している工業団地を約30%拡張する。


 住友商事は、フィリピンの大手財閥・ロペスグループの中核企業であるファースト・フィリピン・ホールディングス社(FPH)と共同で開発・運営している工業団地「ファースト・フィリピン・インダストリアルパーク」(FPIP、現在約349ha)について、約100haの拡張に着手した。

 多くの日系製造企業が進出している近隣アジア諸国の中でフィリピンは、高度な英語能力を有する優秀な人材を多く抱え、また、手厚い外資優遇政策等の政府の後押しを原動力に輸出国としての力を伸ばしており、2012年度上半期の輸出額は前年同期比7.7%増加している。

こうした流れの中、フィリピンでは2011年以降日系製造業の進出が加速している。中国や近隣ASEAN諸国の人件費急騰や日中関係の緊張にともないフィリピン進出機運が高まっている。
 住友商事は、フィリピンが製造業の輸出拠点としての地位を今後更に高めていくものと考え、この度FPIPの拡張に着手した。マニラ中心部より車で45分程度という好立地と、ホテル、銀行、日本食レストラン等の充実した施設ならびに常駐日本人によるきめ細かなサービスの提供というFPIPの強みを生かし、雇用創出等の地域貢献を図りながら、入居企業と共に更なる事業成長を目指していく。

<ファースト・フィリピン・インダストリアルパークの概要>
・合弁会社名:ファースト・フィリピン・インダストリアルパーク社
・出資比率:住友商事30パーセント、FPH:70パーセント
・設立::1996年
・所在地::バタンガス州サントトマス市・タナワン市(マニラ中心部より南へ50Km-車で約45分)
・現行総開発面積::349ha
・総雇用者数:約3万人
・年間輸出総額::14億1,000万米ドル(フィリピン全体の約2.9パーセント) (2011年度)
・賃貸物件:貸工場(空き物件あり)、事務所棟
・現状: 67社が工業団地内に入居、その内37社が日系企業

<拡張の概要>
・追加開発面積:約100ha
・今後の予定:各種許認可を取得後、2013年内に販売活動開始予定
・賃貸物件:レンタル工場を逐次建設予定

 なお、住友商事はこれまで、ベトナム・インドネシア・フィリピンの3カ国4カ所で自社工業団地の開発・運営・販売を展開してきた。またこれに加えてタイ・インドネシア・カンボジアの3カ国4カ所で地場優良工業団地の日系企業向け販売代理業務も展開してきた。今後も進出企業のニーズに沿った工業団地を提供するとともに、総合商社のネットワークと20年来の工業団地事業の知見を生かし、より良いサービスを提供して行く方針である(13年2月22日の住友商事株式会社ニュースリリースなどより)。