ユニバーサルの岡田会長、ウイン・リゾーツ社の取締役辞任

2013/02/22

 カジノ・娯楽関連企業であるユニバーサルエンターテインメント(旧社名アルゼ、ジャスダック上場、以下UE社)の岡田和生会長は、米国時間2月21日(日本時間:2月22日)に、UE社の持分法適用関連会社である米国ウィン・リゾーツ社(ウィン社NASDAQ公開)の取締役の地位を辞任した。



 UE社とウィン社は同一グループ企業としてカジノ企業を推進してきたが、最近はUE社と、ウィン社や同社のスティーブ・ウィン取締役との対立が激化、訴訟合戦という様相を呈している。

 昨年2月には、ウィン社が「UE社とその子会社アルゼUSA、及びUE社の岡田和生会長が、フィリピンで推進中のカジノ事業において、米国腐敗防止法に抵触する不正行為を行ったことが明らかになった」と発表、米国カジノ監督機関に提訴した。岡田会長は腐敗防止法抵触を否定したが、両社の提訴合戦の様相を呈するに至った。

 一方、UE社は12月13日に、「米国ウィン社と係争中であるが、2012年2月にウィン・リゾーツ社が同社ホームページ上に掲載したプレスリリースによって、フィリピンにおけるUE社の100%子会社であるタイガーリゾーツ、レジャー&エンターテインメント(タイガーリゾーツ)が名誉毀損等の損害を被ったため、タイガーリゾーツが告訴人となり、ウィン・リゾーツ社取締役会長であるスティーブ・ウィン氏を、フィリピン司法省パラニャーケ市検察庁に、フィリピン刑法第353 条による複数の名誉毀損罪により刑事告訴した」と発表した。その後も、両者の対立は一段と激化している。

 そして、岡田会長、2月21日に米国ネバダ州ラスベガス市において、自身やUE社の正当性を強調したうえで、「スティーブ・ウィン会長は、2000年当初から、その独断と謀略によって、締結した運営契約、株主関契約、UE社を欺いてきた。このようなスティーブ・ウィン会長の独裁下にあって本来の機能を全く果たしていないウィン社の取締役会の構成員を務めることはもはや適切でない。以上の理由から、ウィン社の取締役の地位から即時発効にて辞任する」と発表した。

 なお、フィリピン政府は、国家プロジェクトとして観光事業を強力に推進することを目的に、マ二ラ湾岸沿いに「マニラベイ・エンターテインメントシティー」を創設、UEグループを含む4グループのカジノ複合リゾート施設の開発が行われつつある。

 UE社グープルのプロジェクトは『マニラベイ・リゾーツ』と称され、世界最大規模のカジノ施設を含む豪華ホテルや高級レストラン、商業施設、バジェットホテル、コンドミニアム、世界最大級の噴水やビーチクラブを兼備した一大複合リゾート開発が計画されている。
 
UEグループ゚は、2008年7月にプロジェクト用地取得、2008年8月に暫定カジノ・ライセンス取得などの準備を進めてきた。しかし、この事業における認可プロセスなどにおいて、UE社グループからフィリピン賭博公社の当時のトップなどに巨額の不正資金が流れたのではとの疑惑が生じ、米国やフィリピン当局が捜査に着手している(13年2月22日の株式会社ユニバーサルエンターテインメント発表などより)。