ユニバーサルエンターテインメント、朝日の報道に反論

2013/02/10

フィリピン・カジノ事業に関する4000万ドル送金記事

 フィリピン・カジノ事業における贈賄疑惑で揺れるユニバーサルエンターテインメント(旧社名アルゼ、ジャスダック上場、以下UE)が、2月8日付け朝日新聞記事に関して反論した。


 2月8日付け朝日新聞朝刊第1面及び第3面に、UEフィリピン事業に関する4000万ドルの送金に関し、「取締役会決議書に『この費用の支払いに同意し、承認することを決議する』と記載し、アルゼUSAの取締役を兼務する岡田和生・UE社会長と岡田知裕・UE社取締役が署名した」との報道がなされた。

 朝日新聞の報道に対し、UEは東京証券取引所での情報公開というかたちで反論した。その内容は以下の通り(ほぼ原文通り)。

 『決議書は、アルゼUSA社内において適式な手続きを経た書面として存在していない。 アルゼUSAにおける意思決定に関する書類に関しては、全て親会社であるUEが把握することはもちろん、アメリカにおいてゲーミング事業に携わっていることもあり、NGCB(ネバダ州カジノ規制委員会)への提出が義務付けられているが、そこへのファイリングもなされていない。

 もとより、送金に数ヶ月遅れて作成されたという当該「取締役会決議書」なる書面に関しては、UEとしてはその作成の経緯を含め把握できておらず、そのような書面が、なぜ、当該報道にいう「議事録作成に関わった同社元幹部」の手元にのみ存在するのか全く了解できないという状況にある。 そして、このような状況から、第三者委員会に対しても、UEに存在していない議事録を提出することはできていないが、第三者委員会においては、UEグループにおける意思決定過程を含む検証等が引き続き行われているので、UEとしても全力でこれに協力していく所存である。

  なお、朝日新聞報道においては、内部資料に議事録作成経緯が記載されている、などとも書かれているが、UEにおいては、前記送金から数ヶ月後に、UE元従業員が、議事録起案担当者と不可解なメールのやりとりを通じて、当該担当者に明らかに事実に反する内容の議事録を作成させていた形跡が発見されている。

  朝日新聞社から、2月8日の報道に先立ち、事実照会があった。 その中で、UEとして把握管理できていない当該「取締役会決議書」なる書面に言及された部分があったので、UEとしては、社内の管理上存在しえない書面であったため、その実在性や出所を尋ねた』。

 そして、UEは、『朝日新聞は、UEの取引先に対して、実名報道により害が及ぶことを仄めかした上で、取引先にUIEとの守秘義務違反を犯して情報提供するよう強要した事実も明らかとなっており、朝日新聞担当記者の不当な取材活動は、もはや度を超えた組織的な反社会的活動と言わざるを得ない。よって、UEはここに断固として抗議の意を表すると共に、各種の法的措置を採ることを検討する』と主張した(13年2月8日の株式会社ユニバーサルエンターテインメントIRリリースなどより)。