フィリピンのオフィス賃貸料、上昇続く

2013/02/08

マカティ高級物件、1年で8.2%値上がりへ
870~1,100ペソ/㎡に:コリアーズ予想

 世界各地のマーケットにおいて総合的な不動産のコンサルティング業務を行っているコリアーズ・インターナショナル(コリアーズ)が、フィリピン不動産市場概観2012年第4四半期(12年10月~12月)動向及び今後の見通しをウェブサイトに掲載した。


 コリアーズは、不動産開発業者がアウトソーシング企業からの継続的需要を見込んで開発を進めている背景で、2013~14年の新規オフィス供給数は年間50万平米に達する見通し。

 マカティ中央ビジネス区ではスエリグ(Zuellig)ビル竣工以来、オフィス・ストックの変化は無い。マニラ首都圏全体では、テクノプラザ2(1万5,000㎡、イーストウッド市)、フィルインベスト・エドサ(7,000㎡、マンダルーヨン市)、Aプレイス(7,400㎡、パサイ市)、ゲートウェイ・タワー(6万800㎡、ケソン市)、ベンチ・タワー(2万7,400㎡、ボニファシオ・グローバルシティ‐BGC)、NACタワー(2万1,200㎡、BGC)、ECOタワー(2万9,000㎡、BGC)が竣工し、オフィス・ストックは620万平米になった。

 一方、2012年第4四半期の需給に関しては、マカティ市のプレミアム物件の空室率が7.37%で前期を下回った。Aクラスのみ前期を上回った。

 オフィス月間賃貸料は第4四半期も値上がりが続き、プレミアム物件の平均賃貸料は前年同期比7.6%増の平米当たり915ペソとなった。一方、A・Bクラスの平均賃貸料は同5%増の平米当たり735ペソ、510ペソであった。コリアーズは、1年後(13年第4四半期)にプレミアム物件で8.2%、A・Bクラスで6.1%、5.4%上昇していると予想している(13年2月7日のコリアーズ・フィリピンズ発表より)。

マカティCBDオフィス平米当たり月間賃貸料(単位:ペソ/ ㎡)

物件タイプ 12年Q4 12年Q3 対前期伸び率 13年Q4(予) 年間変化率予想
プレミアム 860~970 855~950 1.4% 870~1,110 8.2%
Aクラス 570~900 560~900 0.7% 610~950 6.1%
Bクラス 450~565 450~550 1.5% 465~605 5.4%



マカティCBDオフィス空室率

物件タイプ 12年Q4 12年Q3 13年Q4(予)
プレミアム 7.37% 7.62% -
Aクラス 3.49% 2.03% -
Bクラス以下 2.69% 3.19% -
全クラス 3.48% 3.55% 3.94%



マニラ首都圏オフィス新規供給予想(単位:㎡)

地区 12年末総面積 13年供給 14年供給 15年供給 合計
マカティCBD 2,771,784 87,837 - - 2,859,621
オルティガス 1,175,350 75,127 22,800 - 1,273,277
BGC 747,116 159,247 193,796 78,366 1,178,525
イーストウッド 313,864 - - - 313,864
アラバン 303,866 28,929 36,843 30,714 400,352
その他 872,983 207,618 266,415 - 1,347,016
合計 6,184,963 558,758 519,854 109,080 7,372,655

注:BGCはボニファシオ・グローバルシティ(フォート・ボニファシオ)
その他はマニラ、パサイ、マンダルーヨン、ケソン市


マカティCBDオフィス資産価値(利用可能エリア)(単位:万ペソ/㎡ )

物件タイプ 12年Q4 12年Q3 対前期伸び率 13年Q4(予想) 年間変化率予想
プレミアム 11.9~13.0万 11.8~12.8万 1.0% 12.6~13.8万 7.8%
Aクラス 7.2~10.0万 7.1~9.8万 0.4% 7.5~10.4万 5.8%
Bクラス 5.0~6.7万 4.9~6.6万 1.3% 5.3~6.9万 4.9%

(上記の表は全てコリアーズ・インターナショナル資料より作成、予想も同社によるもの)