富士電機、フィリピンの地熱発電大国化を支援

2013/02/04

アキノ政権初の地熱発電プロジェクトにも貢献
3月にマイバララ発電所向け装置・機器類出荷

  昨年4月27日に起工式が行われたバタンガス州サントトーマスでのマイバララ地熱発電所(20メガワット)の建設が順調に進展している。

 この1月31日には、マニラ電力(メラルコ)の115kV送電ライン接続のための配電資産検証(DAS)が実施された。2月1日にはスイッチヤード設置工事が現地企業には発注され、今年6月までに完工する見込み。スイッチヤードは、サーキット・ブレーカー、変圧器、リレー、制御装置などで構成される。

 マイバララ地熱発電所は、2007年に稼働した北部ネグロス地熱発電所(49メガワット)以来5年ぶり、アキノ政権下で初の地熱発電所プロジェクトである。
 
 事業主体は、マイバララ・ジオサーマル社(MGI社)。MGI社は、ペトロ・グリーンエナジー社(ペトロ・エナジー・リソースの完全子会社)によって65%、トランスアジア・オイル&エナジー・デベロップメント社(TA社)によって25%、政府系PONCリニューワブル社によって10%保有されている地熱発電推進企業である。

 マイバララ地熱発電所は、地熱蒸気フィールドと発電所からなる一貫地熱発電施設である。設計・調達・建設(EPA)業務はユーチェンコ・グループ(YGC)子会社の建設会社であるEEIが担当する。建設資金として、リサール商業銀行(RCBC)とバンク・オブ・ザ・フィリピンアイランズ(BPI)から融資が行われている。

 発電装置・機器類は、世界的な地熱発電プラント関連企業である富士電機から調達される。すなわち、富士電機の技術による地熱発電所といえる。現在、富士電機は横浜工場において、タービン、発電機、コンデンサー、関連装置製造の最終段階にある。そして、3月初旬に、フィリピンに向けて出荷される予定である。これにより、富士電機の15カ月間の発電装置や機器類生産・納入契約が完了することになる。

 これらの富士電機からの装置・機器類は4月初旬に現地に到着する見込みであり、約3カ月間かけて設置される。その後、テストや当局の最終承認を得て、マイバララ地熱発電所は今年後半に商業運転が開始される予定である。

 なお、富士電機は、これまでにもネグロス・オリエンタル州のパリンピノン地熱発電所、レイテ島のマリトボグ地熱発電所など多数の発電装置・機器類等を納入している。世界第2位の規模のフィリピン地熱発電事業に大きく貢献しているといえよう(13年2月1日のフィリピン証券取引所回覧1149-2013号などより)。