消費者意識の回復力、フィリピン第3位(17カ国中)

2013/01/27

日本が首位に:マスターカード13年第1四半期調査
 

マスターカード・ワールドワイド(本社:ニューヨーク州パーチェス、以下マスターカード)は、1月23日に、アジア/太平洋・中東地域の主要国における、消費者意識の回復力を調査した結果を発表した。

 この調査では、減速する世界経済成長、特に商品の輸出低迷の、消費者意識の回復に対する影響について評価している。 現在の不確かな世界経済下において、海外需要が低下する中、国内需要は経済成長を維持するための重要な要因となっている。回復力に関する指標では、消費者意識の回復力および消費者意識の強さを、減速する世界経済における成長エンジンとして国内需要の潜在力を判断するための要因としている。

 「減速する世界経済における消費者意識:2013年第1四半期の回復力に関する指標」と題されたレポートでは、アジア/太平洋・中東地域の17市場を対象に、包括的かつ長期的に実施しているマスターカードの消費者意識調査の結果と、商品の輸出成長率との相関分析を示している。

 減速する経済を乗り切る強い潜在力を持つ市場では、消費者意識が最も高く、また商品の輸出低迷に対する回復力がある市場においても消費者意識が最も高い結果となった。一方、消費者意識が非常に低く、商品の輸出低迷に対しても脆弱な市場では、潜在的な経済回復力も最も低い結果となった。

 調査対象市場のうち、日本、香港、フィリピンは最上位にランクされ「比較的回復力が高い」という結果となった。一方、シンガポール、サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦は最下位にランクされ「非常に脆弱性が高い」という結果となった。

アジア/太平洋・中東・アフリカ地域で輸出志向の市場には、近年、中国への資源・商品輸出が最大の経済推進要因となっているオーストラリアや資源輸出への依存度の高いサウジアラビア、アラブ首長国連邦、およびクウェートが含まれる。オーストラリアの同指標は「比較的脆弱性が高い」とされ、また中東地域のすべての市場で「非常に脆弱性が高い」という結果になった。

 その一方、米国に次いで第2位の国内消費規模を持つ日本は「比較的回復力が高い」結果となり、調査対象の17市場の中で第1位となった。東南アジアの各市場においても同様で、GDPに対する商品の輸出比率が最も高い市場(マレーシア、ベトナム)では指標が最も低く、また国内消費が大きい市場(フィリピン)では、より高い結果となった。

 この指標において、GDPに対する輸出の比率が非常に高いシンガポールと香港と比べると、全く異なる結果となった。これは、各市場の消費者意識が市場特有の要因に依存しているためで、輸出低迷に対する消費者意識の回復力に著しい相違があった(13年1月23日のマスターカード・ワールドワイド発表より)。

2013年第1四半期の消費者意識の回復力に関する指標

順位 市場 相関係数 項目
1 日本 0.24 比較的回復力が高い
香港 0.24 比較的回復力が高い
2 フィリピン 0.29 比較的回復力が高い
3 インドネシア 0.32 中立
タイ 0.32 中立
4 台湾 0.34 中立
インド 0.34 中立
5 中国 0.37 中立
6 オーストラリア 0.41 比較的脆弱性が高い
7 ニュージーランド 0.45 比較的脆弱性が高い
8 韓国 0.47 比較的脆弱性が高い
マレーシア 0.47 比較的脆弱性が高い
9 ベトナム 0.49 比較的脆弱性が高い
10 シンガポール 0.50 非常に脆弱性が高い
11 サウジアラビア 0.51 非常に脆弱性が高い
12 クウェート 0.53 非常に脆弱性が高い
13 アラブ首長国連邦 0.59 非常に脆弱性が高い

(出所:マスターカード・ワールドワイド資料より)