比トヨタ自動車株式30%売買完了、90億ペソで
2013/01/17
GTがメトロバンクから取得、保有比率51%に
グループ内の玉移動、全体の保有比率不変
メトロバンク・グループ内でのトヨタモーター・フィリピンズ(TMPC)株式の大口売買が完了した。
具体的には、有力銀行メトロバンクが、保有するTMPC株式約464万株(30%)を、同一グループ企業であるGTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)に売却したのである。すなわち、メトロバンク・グループ内の玉移動である。売却総額は90億ペソであった。
メトロバンクとGTCAPは、昨年10月の各々の取締役会において、メトロバンクの保有するTMPC株式30%をGTCAPが取得することで合意した。そして、昨年12月初めに先ず15%の売買が実施され、1月17日に残りの15%の売買が行われた。
合計30%の売買の完了により、GTCAPのTMPC直接保有比率は51%に高まった。一方、メトロバンクの直接保有比率はゼロとなったが、メトロバンク・グループの保有比率は51%のままで変化はない。この売買により、GTCAPは主力事業の一つである自動車事業の基盤を強化する一方、メトロバンクは、バーゼルⅢ自己資本基準導入に向けて、自己資本や財務基盤を強化すると発表されている。
TMPC株式30%の売買額90億ペソは、独立機関の算出や第3者のオピニオンなどによって慎重に決定されたものである。したがって、TMPC株式100%の価値、すなわち企業価値は300億ペソ(約600億円)と試算されたことになる。
なおTMPCは、1988年にトヨタ自動車のフィリピン車両製造/販売拠点として設立され、1989年から生産/販売を開始した。TMPCの出資比率はトヨタ自動車34%、 三井物産15%、メトロバンク・グループ51%、従業員数は約1,300名である。
TMPCは、一昨年まで10年連続でフィリピン自動車市場の三冠王(総販売台数、商用車販売台数、乗用車販売台数いずれもトップ)という偉業を達成。昨年も、フィリピン自工会(CAMPI)加盟企業ベースで41.7%という高シェアを継続するなど圧倒的な強さを誇っている(13年1月17日のフィリピン証券取引所回覧0574-2013号などより)。