年明けの株価、ペソともに上昇ピッチに拍車
2013/01/04
2012年のフィリピン株式市場、ペソ対米ドルレートともに強い動きとなり、各々アジア主要国のなかでトップクラスの上昇率となった(詳細は1月2日のフィリピン経済・金融・投資情報にて)。
好調なフィリピン経済、経常収支黒字維持等ファンダメンタルズの良好さにくわえ、10月央のミンダナオ和平枠組み合意署名という歴史的な出来事に代表されるような政治的安定度での前進、それらを背景にしたフィリピン格付や格付見通しの相次ぐ引き上げなどにより、株価、ペソともに強い動きとなった。。
フィリピンの代表的な株価指数であるフィリピン証券取引所株価指数(PSEi)は、2009年63.0%上昇、2010年37.6%上昇、2011年4.1%上昇に続き、2012年も好調を維持、4年連続での上昇となった。
2012年のPSE株価指数(PSEi)は1,440.77ポイント、率にして32.95%の上昇となり、アジアの流動性のある主要市場の中では、タイのSET指数の35.76%に次ぐ第2位のパフォーマンスを見せた。ちなみにSET指数は、2011年に大洪水の影響により下落しており、2012年の急上昇はその反動という要素もある。一方、PSEiは4年連続の上昇である。そして、2012年における最高値更新は38回に達しており、6.6営業日に1回の割合で最高値を更新したことになる。
一方、PDS(フィリピン・ディーリング・システム)でのペソ対米ドルレートは、2012年最終日終値が1米ドル=41.050ぺソとなり、2011年末の43.840ぺソから2.79ペソ、率にして6.8%上昇した。中央銀行データによると、アジア主要通貨の中では、韓国ウォンの7.8%に次ぐ2番目の上昇率となった。
2013年に入っても、株価、ペソともに一段と強い動きを見せている。株価は、新年大発会から2日連続で終値ベースでの史上最高値を更新、1月3日には場中瞬間値ベースでの史上最高値5,960.74ポイントを記録、6,000ポイントの大台に接近した。また、2日間だけで2.1%の上昇となっている。
ペソ対米ドルレートも1米ドル=40.770ペソへと上昇、2008年3月6日の1米ドル=40.560ペソ以来、58か月ぶりのペソ高水準となっている(PSEとPDSの取引記録などより)。
フィリピン証券取引所株価指数 | ペソ対米ドルレート | |||
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2004年 | 1,822.83ポイント | 26.4% | 56.280ペソ | -1.4% |
2005年 | 2,096.04ポイント | 15.0% | 53.090ペソ | 6.0% |
2006年 | 2,982.54ポイント | 42.3% | 49.030ペソ | 8.2% |
2007年 | 3,621.60ポイント | 21.4% | 41.280ペソ | 18.7% |
2008年 | 1,872.85ポイント | -48.3% | 47.520ペソ | -13.1% |
2009年 | 3,052.68ポイント | 63.0% | 46.200ペソ | 2.9% |
2010年 | 4,201.14ポイント | 37.6% | 43.840ペソ | 5.4% |
2011年 | 4,371.96ポイント | 4.1% | 43.840ペソ | 0.0% |
2012年 | 5,812.73ポイント | 33.0% | 41.050ペソ | 6.8% |
13年1月3日 | 5,934.05ポイント | 2.1% | 40.770ペソ | 0.7% |