丸紅、マニラ首都圏上下水道事業へ参画
2012/12/27
マイニラッド・ウオーター株式20%を取得
丸紅は、フィリピンの上下水道事業会社であるマイニラッド・ウオーター・サービス社(マイニラッド社)の株式20%を取得することを決定した。
マイニラッド社は、フィリピン政府との民間委託契約(コンセッション契約)に基づき、マニラ首都圏の西地区全17市区をサービスエリアとして、浄水や下水処理サービスの提供、上下水道管路網の維持管理、検針や料金徴収までを含むフルコンセッション事業を行っている。サービスエリア内の人口は、フィリピンの人口のおよそ一割に相当する約950万人であり、単一コンセッション契約に基づく民間水道事業としては、サービスエリア内の人口規模において世界最大である。
丸紅はマイニラッド社への参画にあたり、経済産業省のインフラ・システム輸出促進等調査を2011年度に、また国際協力機構(JICA)の協力準備調査(PPPインフラ事業)(以下、PPP F/S)を2012年度に受託し、課題抽出と将来計画に関わる調査を実施してきた。
マイニラッド社のサービスエリア内において、無収水率(漏水・盗水など売上に結びつかない水量の割合)の削減と現状10%程度に留まる下水道普及率の向上が今後の経営課題となっている。丸紅は、国際協力機構によるPPP F/Sを通じた支援のもと、マニラ首都圏上下水道事業整備への海外投融資等の導入を目指しつつ、上述の経営課題解決へ向けた貢献を図るべく積極的に取り組んでいく方針である。
丸紅は、南米チリにて買収したAguas Decima社およびAguas Nuevas社を通じて、同様のフルコンセッション事業を行っている。また、中国においては30%を出資する安徽省の安徽国禎環保社を通じて、中国国内における下水処理事業への取り組みを展開している。今回のマイニラッド社への参画は、アセアン地域における丸紅の水事業の基盤と位置付けており、傘下事業会社の運営を通じて獲得したノウハウを活用し、今後アセアン域内での民活上下水道事業を積極的に展開していく方針である。
なお、マイニラッド社の所在地はマニラ首都圏ケソン市、設立は1997年、資本金は41億ペソ。現在の主要株主と出資比率はメトロ・パシフィック・インベストメント(56.80%)、DMCIホールディングス(40.98%)、売上高は約138億ペソ(2011年)となっている(12年12月27日の丸紅株式会社ニュースリリースより)。
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