フィリピンからの不正資金流出額、世界第6位に
2012/12/19
10年間で1,380億ドル、第1位は中国の2.7兆ドル
国際的な資金の流れを監視する米国の民間団体であるグローバル・フィナンシャル・インテグリティー(GFI)は12月17日に、「2001年~2010年の途上国からの不正資金流出報告書」を発表した。調査対象国は150カ国。
その報告書によると、2010年の途上国からの不正資金流出額は前年比11%増の8588億米ドルで、2008年に記録した過去最高の8,713億米ドルに迫る高水準の流出となった。
2010年の不正資金流出の国別トップは、中国の4,204億米ドルで全体の約半分を占めた。以下、2位マレーシアの644億米ドル、3位メキシコの512億米ドル、4位ロシアの436億米ドル、5位サウジの383億米ドル、6位イラクの222億米ドル、7位ナイジェリアの197億米ドル、8位コスタリカの175億米ドル、9位フィリピンの166億米ドル、10位タイの124億米ドルと続く。
2001年~2010年の10年間の途上国からの不正資金流出額合計は5兆8,600億米ドルに達する。
10年間でも、中国からの流出額が2兆7,400億米ドルでトップとなっている。以下、2位メキシコの4,760億米ドル、3位マレーシアの2,850億米ドル、4位サウジの2,100億米ドル、5位ロシアの1,520億米ドル、6位フィリピンの1,380億米ドル、7位ナイジェリアの1,290億米ドル、8位インドの1,230億米ドル、9位インドネシアの1,090億米ドル、10位UAEの1,070億米ドルと続く。
フィリピンからの流出額は、2001年65億米ドル、2002年71億米ドル、2003年112億米ドル、2004年122億米ドル、2005年175億米ドル、2006年178億米ドル、2007年225億米ドル、2008年181億米ドル、2009年83億米ドル、2010年166億米ドルと推移している。年間平均額は138億米ドルで、国別シェア2%となっている。
フィリピンからの流出額は2007年に225億米ドルという過去最高を記録した後、2年連続で減少を続けたが、2010年は前年比倍増となってしまった。資金洗浄防止法の更なる整備、銀行口座に関しての行き過ぎたプライバシー保護などを是正する必要がある(12年12月17日のグローバル・フィナンシャル・インテグリティー発表より)。