数量22.2%増、金額18.9%増に
販売数量も10.1%増と回復
 

 　フィリピン国家統計局(NSO)は12月14日、主要製造業701社からの聞き取り調査による2012年10月の生産・販売動向の速報値を発表した(今回発表数字は回答数579社で回答率82.6%時点での集計値）。
　　

 それによると、10月の生産金額指数(2000年=100、以下同様)は前年同月と比べ18.9%の上昇となった。最も成長に寄与した部門は、靴・衣料品（前年同月比120.7%増）、次いで電気機械類（同56.6%増）、ベースメタル（同26.3%増）、食品製造（同25.4%増）、輸送機器（同14.7%増）など5部門。

　生産数量指数は前年同月比22.2%上昇。成長に寄与した部門は、靴・衣料品（前年同月比128.9%増）、電気機械類（同75.2%増）、ベースメタル（同33.8%増）、食品製造（同19.4%増）、木・木工製品（同15.5%増）、輸送機器（同13.5%増）、機械類（電気機械除）（同12.3%増）など。

　一方、純販売金額指数は前年同月比7.1%上昇。主要11部門のうち、靴・衣料品（前年同月比126.9%増）、飲料（同56.8%増）、非鉄鉱物（同50.9%増）、電気機械類（同34.0%増）、出版・印刷（同30.6%増）、食品製造（同11.1%増）など6部門が成長を牽引した。

　純販売数量指数も同10.1%上昇となり前月から大幅に伸びた。成長に寄与した部門は、靴・衣料品（前年同月比135.5%増）、次いで飲料（同56.7%増）、非鉄鉱物（同51.6%増）、電気機械類（同49.9%増）、出版・印刷（同23.1%増）、木・木工製品（同18.1%増）、機械類（電気機械除）（同15.2%増）など。

　平均設備稼働率は83.4%で前年同月から0.7%ポイント、前月から0.1%ポイント上昇。稼動率90%以上の企業の割合は19.9%、稼働率が70%-89%の企業の割合は56.2%で全体の半分強を占めた。50%以下の企業の割合は5.3%であった。

　なお、この聞き取り調査は対象企業数が少なく回答企業数が月によって異ったり、回答提出が遅れるという問題点がある。さらに、過去の数字が大幅に改定されるケースがあることに留意する必要がある。また、生産数量と設備稼働率の整合性という観点からも疑問が残る。今回発表の10月分も次回11月分発表時にかなり改定されているはずである（12年12月14日のフィリピン国家統計局発表より）。

　　　製造業活動状況(対前年同月成長率 単位：％）

全製造業	12年10月	12年9月
生産指数　　　（2000年=100）
金額	18.9	7.4
数量	22.2	8.6
純販売指数　 （2000年=100）
金額	7.1	3.0
数量	10.1	4.1
出荷価格指数（2000年=100）	-2.7	-1.1

　　　（注：2012年9月の数値は全て改定値）

　　　　　　設備稼働率分布状況 (%) 

設備稼働率	12年10月
50%以下	5.3
50%- 59%	6.0
60% - 69%	12.6
70% - 79%	17.9
80%　- 89%	38.3
90% - 100%	19.9

　製造業設備平均稼働率推移(単位：%）

年	11年			12年
月	10月	11月	12月	1月	2月	3月	4月	5月	6月	7月	8月	9月	10月
稼働率	82.7	83.2	83.3	83.0	83.4	83.6	83.4	83.5	83.4	83.3	83.2	83.3	83.4

　(上記の表の出所：全てフィリピン国家統計局資料より作成）