豊田通商、ミンダナオ発電事業出資決定

2012/12/10

アルソンズのCFB石炭火力発電所に25%出資

 豊田通商のミンダナオ発電事業出資交渉がようやく決着、12月10日にマカティ市において、アルソンズ・コンソリデイティド・リソース(ACR)との間での出資合意書に署名が行われた。



 比日経済委員会委員長などを務めてきたトーマス・アルカンタラ氏率いるACRは、主力事業の一つである発電事業の拡充を推進中。ACRの主な事業基盤はミンダナオである。供給不足問題が深刻化しつつあるミンダナオの電力事情改善のため、ACRはミンダナオでの発電所建設に注力する方針である。その一方、環境問題にも対応していく必要がある。

 ACRの発電事業の戦略の一つは、既存のディーゼル発電所を、循環流動層ボイラー(Circulation Fludized Bed Boiler=CFB)石炭火力発電所へと転換することである。CFBは炉の底部から燃焼空気をふき込むことで、高速で流動化した高温の燃料粒子を均一に混合し、効率よく燃焼させる省エネ型システムである。

 火炉内での燃焼温度は,一般的なボイラーが1,400~1,500℃であるのに対し,循環流動層ボイラーでは850~900℃と低いため,サーマル窒素酸化物(温度依存の発生窒素酸化物)の生成量を抑制できる。また、広範な燃料燃焼可能である。ACRはこのようなCFB発電所への転換・建設により、環境汚染軽減や発電能力・効率性の向上、低コスト化を目指す。

 ACRは、具体的にはまず、子会社サランガニ電力を通じて、ミンダナオ島サランガニ州マーシムに合計210メガワット(MW)のCFB石炭火力発電所を建設する計画である。この計画のフェーズⅠである105MW発電所のコストは3億1,000万ドルで、今年6月に着工、2015年に稼働予定である
 
 ACRは、この210MWのCFB火力発電所建設計画に関して、豊田通商との間で長らく提携交渉を行ってきた。
 
 ACRはさる8月28日に、「豊田通商がサランガニ電力に25%出資することで交渉が進展している、8月中にも最終合意に至ると期待される。そして、サランガニ電力は、豊田通商に25%、ACRに75%所有されることになる」と発表した。

 その後、何度か最終合意予定が延期されるなどして、約4ヶ月後に、ようやく豊田通商のサランガニ電力への25%出資が最終決定、上記のように署名に至ったのである。

 豊田通商はサランガニ電力に25%資本参加することで、ミンダナオでの環境保全型発電事業に参画することになる(12年12月10日のフィリピン証券取引所回覧8914-2012号より)。