JBIC、サンミゲルのMRT7号線計画支援か
2012/12/05
全長23キロ、14駅を結ぶ大プロジェクト
丸紅連合が工事や鉄道システム受注済み
首都圏鉄道MRT7号線プロジェクトが始動しつつある。
MRT7号線は、MRT既存線である1号線と3号線が乗り入れる北端駅より更に北部に位置するサンホセ・デルモンテ駅(ブカラン州)までの14駅、23kmを結ぶものである。開業後は北部に建設が予定されている住宅地・商業施設からマニラ首都圏へのアクセス利便性が格段に高まることになる。総工費は22億米ドルと見積もられている。
この建設計画の実施機関はユニバーサルLRT社(ULC)で、フィリピン政府より、この鉄道システム一式及びバスターミナルに関する25年間の建設・運営・保守の事業権を取得している。ULCの過半数シェアはサンミゲル・ホールディングスが保有している。すなわち、サンミゲル・グループが実施主体と言える。
このプロジェクトにおいて、丸紅とフィリピンの大手建設企業D.M.コンスンヒ社(DMCI)の2社コンソーシアムが全長約23km、14駅及び車両基地から成る高架式鉄道システム一式、及びバスターミナル建設事業を受注し、今年5月11日にマニラにおいて建設請負契約に調印している。
丸紅はコンソーシアムリーダーとして、MRT7号線建設プロジェクトのマネジメントおよび鉄道システム一式(車両108両、信号、通信、自動改札、変配電、車両保守設備)の設計・製造・据付・試運転を担当、DMCIは駅舎(14駅)、高架(一部地下)、車両基地、バスターミナルの建設および軌道工事を担当する。
今回は車両・車両電気品・信号の主要設備をそれぞれ総合車両製作所、東芝、日本信号より供給するが、これは日本の鉄道技術がULCから高く評価された結果でもある。
なお、ULCはこのプロジェクトにおいて、国際協力銀行(JBIC)の融資を検討、交渉を進めてきた。このほど、サンミゲルのラモン・アン社長は、「JBICはこのプロジェクトにおける資金支援を承認するであろう。承認されれば、このプロジェクトでの必要資金が確保される」とコメントした(12年12月4日のフィリピン証券取引所回覧8719-2012号などより)。