日本大使館、年末年始に向けた注意喚起

2012/12/04

スリ、置き引き、強盗等の犯罪が多発傾向

 在フィリピン日本大使館は、邦人社会に対して、年末年始に向けた注意喚起を行った。その内容は以下の通り。


1.年末年始に向けた注意喚起
 フィリピンにおいては,クリスマス・シーズンが近づくにつれ外出する機会も増えるが、特に街頭やショッピングモール等に多くの人が集まるこの時期は、例年、スリ、置き引き、窃盗、強盗等の犯罪が多発する傾向にある。
 ついては、以下の諸点にも留意し、トラブルを未然に防ぎ、またトラブルに巻き込まれないよう、家族を含め改めて安全対策を見直されたし。
(1) 犯罪を誘発する環境を作らない(目立たない{華美な装飾品を装着しない}、多額の現金は持ち歩かない、むやみに人前で財布を取り出さず、また高額な現金を見せない、暴力的な言動を取らないなど)
(2) 繁華街等人混みでは,特に身の回りの品に気をつける。(鞄などの持ち物から目を離さない、持ち物は体から離さず身体の前でかかえて持つ、所持金を分散して持つ等)
(3) 徒歩で外出する場合には、日中でも身辺に注意する。また、特に夜間の路上の一人歩きは避ける。
(4) 見知らぬ人から日本語で話しかけられても、むやみに信用しない。
(5) 車両で移動の際はドアを必ず施錠し、飲酒運転,無用なトラブルを招くような乱暴な運転をしない。また短時間とはいえ車内に貴重品を残さない

2 最近発生した凶悪犯罪
 最近では以下のような凶悪犯罪が発生しているので、十分注意されたし。

(1)強盗
11月25日、ケソン市内のコンビニエンスストアに2名の強盗が押し入り、警備員を殺害した上で売上金を奪って逃走する事件が発生した。また、同日、マニラ市トンド地区においても2名の武装グループがコンビニエンスストアに押し入り、拳銃を突きつけた上で売上金を奪って逃走する強盗事件が発生している。

 コンビニエンスストアなどの一般商業施設において偶々犯行現場に居合わせた場合など、直接のターゲットにならなくても事件に巻き込まれる危険性にも十分注意しなければならない。強盗に襲われた場合や偶々その場に居合わせた場合でも、無理に抵抗したり、急に逃げ出したりすると却って危害を加えられるおそれがあり危険であるので,常に身体の安全を第一に考えて行動する。

(2)外国人殺害事件
 マニラ首都圏マカティ市内の繁華街において、11月25日午前4時頃、米国人男性(在フィリピン米国大使館員の配偶者)がフィリピン人4人組に刃物で刺され殺害される事件が発生した。事件の背景等詳細は明らかになっていないが,何らかのトラブルに巻き込まれた可能性も否定できない。

このようにフィリピンにおいては,拳銃や刃物等の凶器を使用した犯行が多発しており、ちょっとしたトラブルが殺人事件に発展するおそれがるので、無用なトラブルを招かないよう、またトラブルに巻き込まれないよう慎重かつ冷静に行動するよう心がけること。

3 最近の邦人被害例
 大使館では、邦人旅行者から、以下のような被害に遭ったとの報告を受けている。気をつけていれば、未然に防ぐことが可能であった事案もあれば、そのような余裕がない中で発生した事案も見られる。旅行者が被害者となった事件であるからといって油断は禁物である。

(1)強盗(被害者:男性旅行者)
ア 発生時間帯:平日午後3時頃
イ 発生場所:マニラ市トンド地区
ウ 被害状況:市内をトライシクルに乗って移動していたところ、突然男性2人組にナイフを突きつけられ、所持金、旅券等の入った鞄を強盗された。
 【対策】日中,外出する場合でも,移動手段に気をつけるとともに,常に誰かに見られていることを念頭に,不必要な大金,貴金属など身につけず,所持品,周囲に気を配り,できるだけ隙をつくらない。万が一、身に危険を感じるような事案に遭遇した場合は、決して抵抗せず、身の安全を第一に考え、冷静に行動する。

2)睡眠薬強盗(被害者:女性旅行者)

ア 発生時間帯:日曜日午後4時頃
イ 発生場所:バタンガス
ウ 被害状況:土曜日午後10時頃,マニラ首都圏においてフィリピン人と思われる親切な4人組(男女2人組)に声をかけられ、翌日一緒にバタンガスに観光旅行へ行った。バタンガスに到着し一緒に食事をしたところ、急に意識が遠のき、朦朧とした意識の中で暗証番号を聞き出されキャッシュカードで現金が引き落とされた。またクレジットカードも不正利用されていた。
【対策】見知らぬ人からアプローチされた場合には、何か下心があると考え、決して安易に信用しない