みずほ、フィリピン進出支援体制拡充へ

2012/12/03

アヤラ系BPIと通貨含む広範な協力協定

フィリピン経済区庁(PEZA)とも業務提携
 

 みずほコーポレート銀行(みずほCB)は、フィリピンの大手銀行バンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランズ(BPI)と、商業銀行業務及び投資銀行業務を含む広範な分野での業務協力協定を12月3日付で締結した。


 この協定は、フィリピンへの進出を検討する日系企業に対し地場企業情報の提供及び進出後のサービス体制の充実を図るもので、具体的には①地場通貨サービス、②地場パートナー、地場販売先の紹介、③現地債券市場育成にかかる相互協力、④現地金融市場・規制にかかる情報交換などを行なっていく。

 なお、アヤラ・グループに属するBPIのフィリピン国内店舗数は 815店(うちマニラ首都圏452店)、海外店舗数は4店(香港1、ヨーロッパ3)、総資産規模は8,673億ペソ(約1兆7千億円、2012年9月末時点) 、従業員数は約1万2千名である。
 総資産規模ではBDOユニバンク、メトロバンクに次いで業界第3位であるが、利益水準ではトップを維持しているし、財務基盤の強固さでも業界トップクラスである。また、創業160周年という歴史を誇るとともに、フィリピンを代表する優良銀行と評されている。

 BPIは10月30日に、2012年度9カ月間(1月~9月)の決算速報を発表した。それによると、純利益は前年同期比37%増の132億ペソへと大幅増加した。そして、BDOユニバンクとメトロバンクの各々105億ペソを大幅に上回り、業界トップの座を維持している。
 BPIは2011年に欧州債務問題や国内外景気減速という悪環境のなかで、史上最高益を連続更新、業界最高の純利益128億ペソを計上した。今年も9カ月間で2011年の年間純利益額を上回っており、連続史上最高益更新となる可能性が高い。BPIは11月には静岡銀行と業務提携を締結している。
 
 みずほCBは、12月3日に、フィリピン経済区庁(PEZA)との間でも、日系企業進出支援に関する業務協力協定を締結した。
 この協定は、PEZAとの情報交換を通して、フィリピンに進出を検討する日系企業へ有益な投資情報の提供及びサポート体制の充実を図るもので、具体的には、①日系企業進出、誘致に関する相互協力、②中小企業を含む日系企業相談会等の共催、③日系企業に対するフィリピン進出時の諸手続のサポートなどに取り組んでいく。

 PEZAは、フィリピン政府の貿易産業省下の庁で、外国企業の投資申請にかかる受付・相談、許認可申請受付・アドバイス等の役割を担っている政府機関の一つで、フィリピンへの投資を検討する場合の窓口となっている。

 フィリピンは、堅調な経済成長・政治的安定を背景に、日系企業の進出が拡大しており、投資先としての魅力があらためて注目されている。みずほCBは、これらの協定締結を機に、みずほ銀行をはじめとする他のグループ各社と一体となり、フィリピンへの進出を検討している顧客のニーズを幅広くサポートしていく方針である(12年12月3日の株式会社みずほコーポレート銀行ニュースリリースより)。