比スズキ、二輪車生産能力が2倍以上に

2012/11/15

カーメルレイ工業団地に新工場オープン
 

 スズキのフィリピン子会社・スズキ・フィリピン社(SPH)は、11月15日に、昨年7月よりマニラ郊外に建設を進めていた二輪車新工場の開所式を行った。

 この開所式は、卜部敏直駐フィリピン日本国大使、アドリアン・クリストバル貿易産業省次官 兼 投資委員会長官、新工場のあるラグナ県のジョージ・エストレガン県知事およびカランバ市のワキーン・チペコ市長らの来賓を迎え、スズキの鈴木修 会長兼社長出席のもと執り行われた。

 SPHは1985年から二輪車の生産を開始した。これまで、マニラ首都圏パシグ市で年産約8万5千台規模の工場で生産を行ってきたが、大幅増産が難しいため、新工場を建設、生産設備、従業員ともに移転することを決定した。

 そして、SPHは10億ペソ(21億円)投じて、マニラから約45キロメートル南のラグナ州カンルーバンのカーメルレイ工業団地内に、年産能力20万台(二勤定時)の二輪車新工場の建設を進めてきた。生産能力は、2010年の生産台数約8万5千台の2.4倍となる。新工場の敷地面積は約12万7,000平米、建屋面積は約1万1,000平米。生産車種は110~150ccのアンダーボーン、バックボーン、スク―タである。

 SPHの二輪車販売は堅調に推移しており、2011年度販売は約9万7千台(前年比13%増)を記録した。SPHは、今後の二輪車需要増に対応するため生産能力を倍増以上とするとともに、コスト削減や地域産業への一層の貢献につなげる方針である。
 
 SPHはこれまで主にアセアン地域で生産された部品を輸入してノックダウン生産を行ってきたが、新工場の完成に伴いフレーム、マフラー、タンクなどの主要部品の製造を行ない、現地調達率を大幅に高めていく。

 なお、SPHの設立は1985年1月、資本金は16億6,000万円(スズキが100%出資)、現在の従業員数は約400名。二輪車の製造・販売のほか、四輪車の販売も行っている(12年11月15日のスズキ株式会社ニュースリリースなどより)。