金融発展度:フィリピン62ヵ国中49位に

2012/11/04

前年44位から急低下、損害保険普及度57位
1位香港、日本7位、韓国15位、ベトナム52位

世界経済フォーラム(WEF)は10月31日に、金融発展度ランキング2012年版を発表した。


 これは、1.制度的環境、2.ビジネス環境、3.金融の安定性、4.銀行の金融サービス、5.ノンバンクの金融サービス,6.金融市場の現況、7.金融へのアクセスという7分野(各々、中項目、小項目で構成)から、各国の金融制度を比較、発展度をランキングしたものである。5回目の発表となる2012年版は62カ国・地域が対象となっている。

 2012年ランキングでは、1位香港(2011年1位)、2位米国(同2位)、3位英国(同3位)、4位シンガポール(同4位)、5位豪州(同5位)、6位カナダ(同6位)、7位日本(同8位)、8位スイス(同9位)、9位オランダ(同7位)、10位スエーデン(同11位).となっている。1位から6位までは前年と全く同順位、日本は前年から1ランク上々となった。

   アジアでは、1位の香港、4位のシンガポール、7位の日本のほか、韓国が15位(2011年18位)、マレーシアが18位(同16位)、中国が23位(同19位)、タイが34位(同35位)、インドが40位(同36位)、フィリピンが49位(同44位)、インドネシアが50位(同51位)、ベトナムが52位(同50位)、バングラデシュが57位(同56位)、パキスタンが58位(同55位)となっている。

 上記のようにフィリピンは49位で、世界でもアジアでも低いランクである。分野別では、制度的環境が39位、ビジネス環境が54位、金融の安定性が47位、銀行の金融サービスが49位、ノンバンクの金融サービスが21位、金融市場の現況が34位、金融へのアクセスが53位と、ノンバンクの金融サービス以外はいずれも低い評価となっている。

 フィリピンは項目別では、特に、事業清算の速さが61位とそのコストの低さが60位、事業開始の速さが55位とそのコストの低さが57位など、事業開始、清算の手間やコストがかかると厳しい評価を受けている。また、損害保険普及度で56位、税金徴収の一貫性で55位などが低評価となっている。そのなかで、証券化のみが7位と高い評価を受けた(12年10月31日の世界経済フォーラム発表より)。