ミンダナオ和平、枠組み合意に署名

2012/10/15

最終合意実現へ向けた重要な一歩
 

 10月15日、マニラのマラカニアン宮殿にて、フィリピンのベニグド・アキノ大統領、モロ・イスラム解放戦線(MILF)のアル・ハジ・ムラド議長、和平交渉の仲介役を務めたマレーシアよりナジブ・ラザク首相の立ち会いの元、双方の和平交渉団による和平の枠組み合意への署名が行われた。国際協力機構(JICA)からは堂道秀明副理事長が立会人として出席した。



 今回の枠組み合意は、2016年の新自治政府の発足とそれに向けた移行プロセスを定めるもので、ミンダナオ和平に関する最終合意の実現に向けた重要な一歩である。この枠組み合意はいくつかの重要な課題を今後の交渉に委ねており、最終合意に至るまでには、関係者の更なる努力が期待される。

  国際協力機構(JICA)はこれまでに、国際監視団(IMF)の社会経済開発部門への職員派遣、和平後を見据えた開発の担い手育成、コミュニティー開発や今後の開発計画づくり、また和平関係者の意見交換の場づくりなどを通じて、ミンダナオ紛争影響地域への支援に取り組んできた。

 今後、現在のムスリム・ミンダナオ自治政府(ARMM政府)は廃止され、新しい自治政府が設立される見込みである。JICAはARMM政府の組織強化・人材育成支援に長年取り組むとともに、MILF下の開発機関とも支援を通じた良好な関係を培ってきているという重要かつ特徴的な立場にある。これらの経験を下地に、和平後を見据えながら、今後の新しい自治政府のあり方について現地の人々と一緒に考えつつ、支援を進めていく方針である(12年10月15日のJICAプレスリリースより)。