不動産融資残高19%増で史上最高:6月末

2012/10/01

5,465億ペソに、不良債権比率は4.43%へ改善
 

 フィリピン中央銀行(BSP)は10月1日、2012年第2四半期末(6月末)の商業・ユニバーサル(拡大商業)銀行と貯蓄銀行の不動産投資・融資残高合計を発表した。



 それによると、不動産投融資(REE)残高合計は前期末比4.4%増、前年同期末比18.9%増の5,616億4,100万ペソであった。銀行別では、商業・ユニバーサル(拡大商業)銀行が4,340億0,500万ペソ(シェア77.3%)で全体の約8割を占めた。一方、貯蓄銀行は1,276億3,600万ペソ(シェア22.7%)。

 不動産融資(REL)残高合計は前期末比4.3%増、前年同期末比18.8%増の5,464億5,500万ペソと拡大。そのうち商業・ユニバーサル(拡大商業)銀行の不動産融資は4,188億1,900万ペソ(商業施設融資2,784億8,800万ペソ、住宅ローン1,403億3,100万ペソ)であった。

 不動産融資の不良債権(NPL)残高合計は前期比9.6%減、前年同期末比6.6%減の242億0,200万ペソ、その結果不動産融資に対するNPL比率は4.43%で前期末、前年同期末から改善した。

 総融資残高(銀行間融資除く)における不動産融資比率は14.97%で前期末から縮小したが、前年同期末からは拡大した(12年10月1日のフィリピン中央銀行資料などより)。

 商業・ユニバーサル銀行&貯蓄銀行の不動産融資動向(単位:百万ペソ)

項目 11年6月末 12年3月末 12年6月末
A.不動産融資(REL)残高 459,866 524,128 546,455
      住宅不動産 198,377 232,570 244,428
      商業不動産 261,489 291,558 302,027
 REL不良債権(NPL)残高 25,920 26,763 24,202
      住宅不動産 10,040 9,781 9,744
     商業不動産 15,881 16,982 14,458
B.不動産投資(REI) 12,421 14,012 15,186
不動産投融資(A+B)残高 472,287 538,141 561,641
総融資残高(TLP) 3,221,263 3,451,167 3,651,478
総融資に占める不動産融資比率 14.28% 15.19% 14.97%
不動産融資の不良債権比率 5.64% 5.11% 4.43%
(出所:中央銀行資料より作成)
注1.数字は商業・ユニバーサル銀行、貯蓄銀行の合計
注2.総融資残高(TLP)には銀行間融資(IBL)は含まれていない