日本、フィリピン最大の投資・貿易相手国

2012/09/27

日比ビジネス整備委員会で更なる改善討議
VAT環付、インフラ整備、電力価格・供給など

 

  9月26日マニラにおいて、日比経済連携協定(JPEPA)の規定に基づき、「ビジネス環境の整備に関する小委員会」第5回会合が開催された。

 卜部敏直駐フィリピン日本国大使及びアドリアン・クリストバル比貿易産業省次官が共同議長を務めた。

 今回の会合には、フィリピン政府の関係各省庁から出席があり、日本側からも、在フィリピン日本大使館、JICA、JETRO等関係機関が出席した。また、民間部門を代表して、日本側からは、石神高フィリピン日本人商工会議所(JCCI)会頭をはじめとするJCCI関係者が、また、フィリピン側からは、ミゲル・バレラ・フィリピン商工会議所(PCCI)会頭及びセルジオ・オルティズルイス・フィリピン輸出業者連合会(PHILEXPORT)会長が出席した。

 2008年12月に発効した日比経済連携協定は、両国の経済関係拡大のための重要な枠組みである。双方は、日比間の貿易及び投資に関する最近のデータが、世界経済を取り巻く状況が大変厳しいにもかかわらず、以下のように大変勇気づけられるものであることに留意した。

 2011年の日比間の貿易額は、2010年に比べて増加。フィリピンの日本への輸出額は、2010年の78.4億米ドルから2011年は89.0億米ドルへと増加し、日本は引き続き最大の輸出先国となった。フィリピンの日本からの輸入額は、2010年の67.4億米ドルから2011年は65.2億米ドルへとやや減少したが、日本は引き続き最大の輸入相手国となった。2012年上半期においても、フィリピンの対日輸出額及び対日輸入額は、それぞれ11.0%及び13.6%の伸びを示している。

 2011年の日本からフィリピンへの海外直接投資額は774億ペソであり、引き続き日本はフィリピンに対する最大の投資国。2012年上半期においても、日本は最大の投資国であり、日本からの直接投資の承認額は223億ペソに達している。

 今回の会合において、双方は、日本企業による新規投資が次々と表明されていることに見られるとおり、日本の投資家による対比投資への強い関心が示されていることに留意した。

 会議では、VAT還付問題を含む税に関する問題、電力の適正価格や需給見通しの問題、道路・港湾・空港等の物流インフラの問題、その他のビジネス環境改善に関する問題について議論され、フィリピンがASEAN地域における人材育成のハブとなる潜在性をもっていることについても話し合われた。

 この会合は、特定の問題について具体的な解決を図ることを通じて、透明性、予見可能性及び一貫性のあるビジネス環境を確保するものである。双方は、ビジネス界との継続的な対話がフィリピンへ更に投資を呼び込むために重要であることにつき、意見の一致を見た。

 「ビジネス環境の整備に関する小委員会」の次回会合は、2013年3月に予定されている(12年9月27日の在フィリピン日本大使館発表より)