比セブン・イレブン好調続く、株価3年間で30倍
2012/09/14
現在の店舗数763店、年内800店、来年1千店に
セブにも進出、7月末に1号店、年内30店に
フィリピンのコンビニエンス・ストア業界が離陸期入りし、高成長を続けている。そして、業界トップ(店舗数シェアで約50%)のセブン・イレブンをミニストップやマーキュリー・セルフサービスが追うという構図になっている。
フィリピンのセブン・イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが56.59%を所有(2012年3月末現在)するフィリピン・セブン社(PSC)によって運営されている。PSCは1982年11月に設立され、同年12月に米国テキサス州ダラスのサウスランド社(その後セブン-イレブン社に社名変更)からフィリピンでのセブン・イレブン運営ライセンスを獲得。1998年2月4日に、フィリピン証券取引所(PSE)に上場した。
このPSCが2012年度上半期(1月~6月)の総収入は前年同期比36%増の63億2,559万ペソ、商品売上高は同36%増の57億2,183万ペソ、純利益は同38%増の1億6,426万ペソと大幅増収増益決算となり、急向上ペースを継続させた。
PSCの2012年6月末のフィリピンでのセブン・イレブン総店舗数は746店に達し、2011年末の689店から57店の増加となった。前年同月末の600店からは146店、率にして24%増加した。746店舗のうち、直営店が254店舗、フランチャイズ店が492店舗である。
フィリピンでのセブン・イレブン第1号店は、1984年2月にケソン市エドサ通り沿いにオープンした。当初の出店ピッチは鈍かったが、2000年の小売業界規制緩和を契機に出店ピッチが速まった。そして、2006年末287店、2007年末311店、2008年末368店、2009年末447店、2010年末551店、2011年末689店、そして、今年6月末746店と順調に拡大している。
ウエブサイトによると、現在のPSCの店舗数は763店、2012年年末までに800店、2013年末までには1000店とする方針を表明している。
PSCの店舗網は、今年前半まではセブン・イレブンの店舗網はルソン地域にとどまっていた。しかし、7月31日にセブ1号店がエスカリオ・セントラルにオープンした。その後、セブ・キャピトル、Tuneホテル、JYスクエアモールなどに出店されており、2012年中にセブに30店舗がオープンする見込みである。今後、セブ、さらにはミンダナオでの出店が続く見込み。
フィリピンのコンビニ業界やPSCの成長期入りとともに、フィリピン証券取引所(PSE)におけるPSCの株価が大幅上昇している。昨年までPSCの商いは薄く、その株価は2009年第1四半期から第3四半期までは2.50ペソに張り付いていた。
ところが、2009年末に7.00ペソへ、2010年末は14.32ペソ、2011年末に25.90ペソまで上昇した。2012年に入ると、株価上昇に弾みがつき8月29日には一時76ペソまで上昇した。すなわち、2009年第3四半期までの2.50ペソからは約3年間で約30倍に上昇したことになる。その後も70ペソ前後で推移している。
9月10日には、PSEにおいて、PSC株約4,100万株(12%相当)の大口クロス商いが実施された。1株当たり株価は70ペソであった。
フィリピンのブランドコンビ二エンス・ストア店舗数とシェア
2010年末店舗数 | 2011年末店舗数 | 2011年末シェア | |
セブン・イレブン | 551 | 689 | 50% |
マーキュリー・セルフサービス | 287 | 345 | 25% |
ミニストップ | 336 | 325 | 23% |
サンミゲル・フードショップ | 13 | 25 | 2% |
合計 | 1,187 | 1,384 | 100% |
(出所:フィリピン・セブン資料より作成、ミニストップ店舗数は日本側発表と多少異なる)