フィリピンの外貨準備高、8月末808億ドルで史上最高

2012/09/09

輸入11.9カ月分、残存短期負債の6.6倍に相当

 フィリピン中央銀行(BSP)は9月7日、2012年8月末の総外貨準備高(GIR)(速報値)を発表した。


 それによると、8月末のGIRは前年同月末比6.4%増の807億7,723万米ドルで、月末値でベースで史上最高となった。
 
 BSPの外国為替取引から得た利益、BSPの外国投資・外国為替操作からの収入の流入、財務局による外貨建預金、国際金市況の金価格上昇による中央銀行の金保有高評価益などが増加に寄与した。しかし、これらは政府の海外債務の満期支払いや公認外為銀行による外貨引出などで一部が相殺された。

 2012年8月末のGIRは輸入の11.89カ月分に相当する水準。また、原本ベース短期負債の約10.9倍、残存ベース短期負債の6.6倍に相当する水準である(12年9月7日のフィリピン中央銀行発表より)。 フィリピンの総外貨準備高推移(単位:百万ドル)

項目 年末値 12年 12年8月の伸び率
年・月 05年 06年 07年 08年 09年 10年 11年 7月 8月 前月比 前年同月比
総外貨準備高(GIR) 18,494 22,967 33,751 37,551 44,243 62,373 75,302 79,759 80,777 1.3% 6.4%
輸入カバー率(月数) 3.82 4.23 5.75 5.96 8.67 9.52 11.26 11.74 11.89 - -

 (出所:フィリピン中央銀行資料より作成、12年7月は改定値、8月は速報値)