世界最優秀中央銀行総裁にフィリピンのテタンコ総裁ら

2012/08/26

50カ国・地域対象調査で2年連続のA評価(合計6名)
日本銀行はCマイナスでアジア最低、世界ワースト3に

 米系の著名金融誌「グローバル・ファイナンス」はこのほど、1994年から毎年実施されている「中央銀行総裁レポート」2012年版を発表した。

 このレポートは、インフレ抑制、経済成長、通貨安定、金利政策等の観点から、各国・地域の中央銀行総裁の一年間の実績を評価するものである。評価はA (非常に優れた成果)~F(完全な失敗)の6段階番付で比較されている。今回は50カ国・地域の中央銀行総裁が評価の対象となっている。

 2012年レポートで最上位のAとして評価されたのは、フィリピン中央銀行(BSP)のテタンコ総裁のほか、豪州、カナダ、イスラエル、マレーシア、台湾の6カ国・地域の中央銀行総裁であった。テタンコ総裁は、昨年に引き続き2年連続でAとランクされた。

 今回、EとFの該当者はなく、アルゼンチンのポント総裁とエクアドルのデルガド総裁の2名が今回最低のDとランクされた(ポント総裁は昨年もD)。なお、スイスのジョーダン総裁とクエートのハシェル総裁に関しては、評価時期早尚とのみ記載されている。

 アジア・オセアニア16カ国の中央銀行総裁の評価はフィリピン、マレーシア、豪州、台湾がAのほか、タイとカザフスタンがBプラス、インドネシア、ニュージーランド、スリランカがB、中国とシンガポールがBマイナス、インド、韓国、ベトナム、バングラデシュがCと続く。

 アジア最低は、日本銀行の白川総裁のCマイナスであった。日本銀行総裁の評価は昨年までの2年連続でのCから一段と低下、アルゼンチンとエクアドルに次ぐ世界ワースト3となってしまった。ちなみに、米国FRBパーナンキ議長はBで、前年のCから2ランク上昇した(12年8月25日のグローバル・ファイナンス誌電子版などより)。

 主要国の中央銀行総裁の評価:グローバル・ファイナンス誌

国名・地域名 中央銀行総裁名

2012年の評価

2011年の評価

豪州 Glenn Stevens
バングラデシュ Atiur Rahman N/A
中国 Zhou Xiaochuan B- 
インド Duvvuri Subbarao  B- 
インドネシア Darmin Nasution  
日本 Masaaki Shirakawa  C- 
カザフスタン Grigori Marchenko   B+  N/A
マレーシア Zeti Akhtar Aziz  
ニュージーランド Alan Bollard 
フィリピン Amando Tetangco Jr. 
シンガポール Ravi Menon  B- 
韓国 Kim Choongsoo  
スリランカ Ajith Nivard Cabraal  N/A
台湾 Fai-Nan Perng 
タイ Prasarn Trairatvorakul  B+  B+ 
ベトナム Nguyen Van Binh N/A