富士フィルム、フィリピンで高性能レンズ製造へ

2012/08/21

フジフィルム・オプティクス・フィリピン設立
ラグナ州カーメルレイ工業団地に工場建設

 富士フイルムは8月21日に、フィリピンに光学レンズの加工・組立の新工場を建設すると発表した。

 富士フィルムはデジタルカメラやプロジェクター、監視カメラに用いる高性能レンズの生産能力を増強するため、フィリピンに現地法人「フジフィルム・オプティクス・フィリピン」を設立、そして、光学レンズの加工・組立を行う新工場を建設する。ラグナ州カーメルレイ工業団地に建設される新工場は、2012年10月に着工、2013年6月に稼動の予定である。
 
 富士フイルムは、デジタルカメラレンズや携帯電話用カメラモジュール、放送用TVレンズ、監視カメラ用レンズ、プロジェクター用レンズなどを扱う光学デバイス事業を重点事業の1つとして位置付け、取り組みを加速させている。

 光学レンズは、民生用から業務用まで幅広い製品で使用され、今後も世界的に成長が見込まれている分野である。現在、デジタルカメラ・監視カメラなどの各種カメラやプロジェクターなどの高性能化、経済成長が著しい新興国などでの普及率向上に伴い、光学性能が優れたレンズの需要が伸長しており、今後もその傾向は継続していくと予想されている。
 
 このような中、電力などのインフラが整備されており、若い人材も豊富であるフィリピンに新工場を建設し、光学レンズの生産能力の増強を図ることを決定した。

今回の新工場は、光学レンズの研磨やコーティングなどの加工から組立までを一貫して生産できる工場である。ガラスレンズの表面をナノオーダーで高精度に研磨する「レンズ研磨機」や、反射防止用多層薄膜を形成する「真空蒸着機」などの生産設備を導入し、デジタルカメラ・プロジェクター・監視カメラの高性能レンズを生産していく。

 また、2013年6月の稼動開始から段階的に生産設備を増強することで、2015年度には年産1,800万枚まで引き上げ、伸張する光学レンズの需要に対応していく。なお、総投資金額は23億円と計画している。

 富士フイルムは、独自の開発設計力、高度な製造技術力や品質管理に基づいたフジノンブランドの製品を世の中に提供し、多様化する顧客の幅広いニーズに対応してきた。今後も、光学デバイス分野のリーディング・カンパニーとして、市場ニーズにマッチした製品を開発・発売し、この分野のさらなる発展に貢献して行く方針である(12年8月21日の富士フイルム株式会社ニュースリリースより)。