比トヨタ、上半期純利益35%増の15億ペソ
2012/08/15
GTキャピタルの実質51%増益に寄与
今年4月20日に新規上場したメトロバンク・グループのGTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)が、2012年度上半期(1月~6月)の決算速報を発表した。
GTキャピタル・ホールディングスの主要出資先は、不動産(フェデラルランド)、自動車(トヨタモーター・フィリピンズ)、発電(グローバル・ビジネス・パワー)、保険(アクサ・フィリピン)、銀行(メトロバンク)の5分野である。
これらの出資先が総じて好調であったことから、GTCAPの上半期収入は前年同期比188%増の100億ペソ、純利益は同136%増の40億ペソと大幅増収増益となった。一時的損益を除外したコア純利益も同51%増の26億ペソに達した。すなわち、実質51%増益であった。
まず、100%子会社化しつつある不動産企業フェデラルランドの純利益は同770%増の17億ペソへと急増した。コア純利益ベースでは同48%増であった。電力企業グローバル・ビジネス・パワーの純利益も同134%増の13億ペソに達した。有力銀行メトロバンクの純利益は同21%増の74億ペソ、アクサ・フィリピンの純利益は同10%減ながら3億2,100万ペソと高水準であった。
さらに、トヨタモーター・フィリピンズ(TMPC)の純利益は同35%増の15億ペソに達した。円高や第1四半期までのタイ洪水の後遺症という逆風にもかかわらず、販売台数が順調に増加、GTCAPの好業績の下支えをした。TMPCは、フィリピン自動車市場で断トツの販売台数を誇り、2011年まで10年連続の三冠王(総合販売台数、商用車販売台数、乗用車販売台数いずれもトップ)となっている。2012年上半期のシェアもフィリピン自動車工業会(CAMPI)加盟企業ベースでは40.8%に達し、断トツの首位の座を継続している。
なお、上記のフェデラルランドは、オリックスと提携2007年からコンドミニアム開発を共同で手がけているほか、ボニファシオ地区において大型複合施設を開発しつつある。このプロジェクトは、フェデラルランドが70%、オリックスが30%出資して合弁会社を設立、ボニファシオ地区で、オフィス、ホテル(グランドハイアット・マニラ)、コンドミニアム、商業店舗などの複合不動産開発を推進するものである。総事業費は300億円と見込まれている。
このように、GTCAPは日系企業とのつながりが強く、それらとの合弁事業が収益向上の原動力になっている(12年8月15日のフィリピン証券取引所回覧6113-2012号などより)。