愛知のプロスタッフ、セブで電動三輪車生産
2012/08/03
現地法人設立、7人乗りを組立・販売へ
8月3日からのセブ・モーターショーにて展示
現在、フィリピンでは、電動車両の導入が大きなトピックスとなっている。国家経済開発庁(NEDA)理事会はこの3月22日に、電動トライシクル(eトライク)本格導入による市場転換プロジェクト(総額215億ペソ)を承認した。
このプロジェクトは、アジア開発銀行(ADB)などの支援によるもので、合計215億ペソを投入、全国で350万台以上稼働中とされているトライシクルのうち、10万台を電動トライシクルに置き換えるというもの。それにより、トライシクルの燃料消費量の2.8%(石油に換算して56万926バレル)削減を目指す。
現在、フィリピン国内では、エンジンバイクを改造して客員用側車を取り付けた約350万台のトライシクルが市民の生活の足として活用されている。しかしながらフィリピンでは、排気ガス問題や燃料価格の高騰から、代替の交通手段の確保が急がれており、加えて自国産業育成の観点から、フィリピン政府はeトライクの普及促進を国家プロジェクトとして位置づけている。
このような状況下で、株式会社プロスタッフ(本社:愛知県一宮市)は、フィリピンのセブ市において現地法人「プロッツァ・ヒロセ・マニュファクチャアリング」(PHMI)を設立し、フィリピンの民間コミューター向けのE-trike(電動三輪車)「Pecolo(ペコロ)」を開発・販売開始する。
E-trike「ペコロ」は、最高時速約55km、総乗員7名(ドライバー1名+客員6名)の電動三輪コミューターである。リチウムイオンバッテリーを搭載し充電一回あたりの航続距離は約45km、さらにバッテリーステーションでのバッテリー交換が可能なシステムとなっている。
車両の核となるモーター・バッテリー・ディフェンシャルギアなどの主要動力系パーツは日本ブランドから調達し、フレーム・FRP外装ボディ等はフィリピン国内で製造する。そして、これらを現地法人PHMIが完成車メーカーとしてアッセンブリーを行い販売していく。今後、プロトタイプによる実証試験を経て、年内に量産開始する予定である。
PHMIは、8月3日から8月5日にセブ国際展示場で開催されるセブモーターショーにおいて、「ぺコロ」の車両展示と発表行う(株式会社プロスタッフのニュースリリースより)。