ビナイ・フィリピン副大統領と岡田副総理が会談

2012/07/17

相互補完にある両国関係の更なる深耕化で合意

  7月17日(火曜日)午前10時30分から約40分間、岡田克也副総理は訪日中のジェジョマール・ビナイ・フィリピン副大統領と会談を行った。概要は以下のとおりである。



1.岡田副総理は、ビナイ副大統領の訪日を歓迎するとともに、昨年9月のアキノ大統領来日の際に両国関係を『戦略的パートナーシップ』と位置付けた意義は非常に大きく、両国関係を更に深めたいと述べた。さらに今年6月末のデル・ロサリオ外務大臣の訪日などハイレベルでの意思疎通が緊密に行われていることを歓迎した。これに対し、ビナイ副大統領からも『戦略的パートナーシップ』の更なる促進は重要であり、ハイレベルの交流を引き続き実現していきたいとして、岡田副総理のフィリピン訪問を招請した。

2.岡田副総理は、2008年12月の日・フィリピン経済連携協定(EPA)の発効以来、日・フィリピン間の貿易が順調に拡大しているものの、まだまだ量的・質的に拡大の余地が残っていることを指摘するとともに,若くて優秀な労働力及び大きなインフラ需要があるフィリピンと日本とは経済面で相互補完関係にあり、ODAを積極的に活用して,人材育成やインフラ整備を支援していきたいと述べた。

 これに対し、ビナイ副大統領は、日本は最大の貿易・投資相手国であり、また,最大のODA供与国であることに謝意を表した。また、フィリピン政府は汚職撲滅にも最善の努力を払っているほか、経済政策の予見可能性を高める努力をしていることを強調の上、今後は、エネルギー分野及び観光促進分野での日本企業投資に期待していると発言した。

 岡田副総理は、投資先としてのフィリピンの優位性をアピールすることの重要性などについて言及した。続いて、看護師・介護福祉士候補者の受入れについて、ビナイ副大統領が日本が現状の困難さを理解し、受入れ改善に努力していることに謝意が述べられた。岡田副総理は、候補者の円滑な受入れのため、今後も改善していきたいと述べた。

3.ビナイ副大統領は、フィリピン人海外労働者保護をアキノ大統領からの特命事項としていること、日本には日本人の配偶者を含む22万人のフィリピン人がいることについて言及があった。岡田副総理は、日本商船で働く船員の70%がフィリピン人であると述べたのに対し、ビナイ副大統領は、フィリピン人の多くが商船に従事しており、ソマリア沖の海賊対策に係る自衛隊の活動に深い謝意が表明された。

4.その他、地域情勢等についても意見交換を行った(12年7月17日の日本外務省発表より)。