日系のカジノ事業にフィリピン有力企業が参画へ
2012/07/15
ユニバーサルEとロビンソンズランド等が提携交渉
エンパイア・イーストも参加、3社合弁で合意か
カジノ・娯楽関連企業であるユニバーサルエンターテインメント(旧社名アルゼ、ジャスダック上場、以下:UE社)のフィリピンでの大規模カジノリゾート・プロジェクト「マニラベイ・リゾーツ」開発において、フィリピン大手企業等の提携交渉が進んでいる。
既報の通り、7月13日付けフィリピン各紙が「フィリピンのゴコンウェイ・ファミリーが、傘下のロビンソンズ・ランドを通じて、UE社の大規模カジノリゾート事業への参画交渉を行っている」と報じた。この報道の正否を問うフィリピン証券取引所(PSE)に対して、ロビンソンズ・ランドは13日に「UE社とカジノリゾート事業での提携交渉を行っていることは事実である」と回答した。
一方、UE社も7月13日に「フィリピンでのカジノリゾート・プロジェクト「マニラベイ・リゾーツ」開発において、不動産大手のロビンソンズ・ランドとエンパイア・イースト(アライアンス・グローバル・グループ傘下)との間で協力関係を構築するための交渉を開始した」と発表した。
UE社グループ゚は2008年より、フィリピン首都圏マニラ湾岸埋立地で計画されフィリピンの国家事業として注目されている「フィリピン賭博公社(PAGCOR)エンターテインメント・シティ」にてカジノリゾートの開発を計画し、2008年7月にプロジェクト用地取得、2008年8月に暫定カジノライセンス取得などの準備を進めてきた。この国家プロジェクトにおけるカジノ運営ライセンスを獲得した4社のうちの1社となっている。UE社の推定総投資額は20億ドル超とも報じられてきた。
ただ、投資額が巨額であるうえ、UE社が間接出資している米国のカジノ運営企業ウィン・リゾーツ(ナスダック公開)との間の対立が激化するなどの問題が生じている。これらにより、UE社のフィリピン・カジノ事業遂行に疑問を呈する向きも増えたが、UE社の岡田会長は「ウィン・リゾーツ問題などによって、カジノプロジェクトが挫折することはない。2014年までにカジノ・ホテルリゾートをオープンする」とコメント済み。
7月15日付けフィリピンスター紙電子版によると、フィリピン賭博公社(PAGCOR)のナギアット社長兼CEOは、「UE社、ロビンソンズランド、エンパイア・イーストの3社が、UE社のカジノリゾートプロジェクトを合弁方式で推進することで合意した」とコメントした。
ナギアット社長は「3社の合弁事業の保有比率はUE社40%、現地企業2社が60%となる。エンパイア・イーストは土地開発、ロビンソンズランドがゲーミングや小売事業を担当することになろう」ともコメントしたとのことである(12年7月13日のフィリピン証券取引所回覧5310-2012号、株式会社ユニバーサルエンターテインメントIRリリースなどより)。