日本とフィリピン、防衛協力・交流強化へ

2012/07/02

日比防衛相会談で意図表明文書に署名

  7月2日に森本防衛大臣は、訪日中のフィリピンのガズミン国防大臣と日比防衛協力・交流の意図表明文書に署名するとともに、両国の防衛協力・交流等について意見交換を行った。その概要は以下の通り。



1.森本大臣は、フィリピンから国防大臣を迎えたのは11年ぶりであり、ガズミン大臣の訪日を歓迎すると発言するとともに、東日本大震災におけるフィリピンからの支援への謝意を伝達。ガズミン大臣は、今回の訪日により両国間の防衛交流がさらに発展することを期待すると発言した。
 双方は、日比間の防衛協力・交流に関する意図表明文書に署名し、これを契機に日比間の協力・交流を新たな段階に発展させることで一致した。

2.森本大臣は、6月にフィリピンで行われたパシフィック・パートナーシップ2012における協力に感謝する旨を伝達し、今後とも様々な形で防衛交流を強化すると発言。ガズミン大臣は、アジア太平洋地域の平和と安定に向け、両国間の防衛交流の一層の発展を期待すると発言した。

3.双方は、アジア太平洋地域の情勢について意見交換を行い、両国は海洋の安全保障に共通の利益を有していることを確認し、二国間のみならず多国間協議の場においても連携することで合意した。

<日本防衛省とフィリピン国防省との間の防衛協力・交流に関する意図表明文書>
 双方は、国連平和維持活動(PKO)、人道支援・災害救援(HA/DR)及び海上の安全保障等の防衛分野において共有する関心事項を認識し、両当事者間の防衛協力の発展が相互理解と信頼関係を増進させ、アジア太平洋地域及びそれを越える地域の平和と安定に資することを確認し、各国の国内法令に従い、意図表明文書を作成することを決定した。

 協力の範囲は、両国大臣間などのハイレベル交流、実務レベル交流、部隊間交流、教育・研究交流、能力構築、情報交流などに及ぶ。さらに、国際平和協力活動における両当事者間の協力促進、多国間協力なども含まれている。
 多国間協力に関しては、1.ASEAN地域フォーラム(ARF)、拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)などの多国間枠組みにおける協力の強化、2.いずれかの当事者が主催又は後援する多国間ワークショップ、会議及びセミナーへの積極的な参加(日本国防衛省が主催するアジア太平洋地域における共通の安全保障課題に関する防衛当局高級事務レベル会合及び東京ディフェンス・フォーラムを含む)などが盛り込まれている。

 意図表明文書の下での協力及び交流は、署名日(7月2日)をもって開始される(12年7月2日の日本防衛省発表より)。