サンミゲル、コファンコ会長が持株を大量売却
2012/07/01
発行済み株式の14.7%相当、370億ペソで
11%相当はラモン・アン社長に譲渡との報道
このほど、サンミゲルの大株主間での大規模な株式移動が行われた。
サンミゲルのエドゥアルド・コファンコ会長は、保有するサンミゲル普通株式4億9,338万株(発行済み普通株式の約14.7%)を売却した。売却価格は1株当たり75ペソ、売却総額は約370億ペソであった。この売却は、2009年に締結されたオプション契約に基づくものであることから、フィリピン証券取引所(PSE)での直近株価(114ペソ)を34%下回る水準となっている。
売却先は、トップ・フロンティアとマスター・イア―・リミティッド(MYL)である。トップ・フロンティアへの売却株数は約1億2,523万株(約3.7%)、MYLへの売却数は約3億6,814万株(約11.0%)であった。これらの売却は6月29日にPSEにおいて、大口ブロックセールというかたちで実行された。
トップ・フロンティアは、元貿易産業相のロベルト・オンピン氏傘下の持株会社であり、積極的な投資活動を展開してきている。その投資活動において、サンミゲルと協調するとともに、サンミゲルと株式持ち合いの関係にある。トップ・フロンティアはサンミゲルの筆頭株主であると同時に、サンミゲルがトップ・フロンティア株式49%を保有するに至っている。トップフロンティアの2012年3月末の単独でのサンミゲル普通株式保有比率は約36.59%(グループ企業分などを含めた実効支配率は66%ちされている)。
もう一つの売却先であるMYLに関しての詳細な情報は開示されなかった。6月30日付けフィリピン各紙によると、MYLへの売却は実質的には、ラモン・アン社長への売却であるとのこと。コファンコ会長は「ラモン・アン社長は最も信頼できる人物であり、株式譲渡先として最も相応しい存在である」とコメントしたとのことである。
コファンコ会長のこれまでのサンミゲル普通株式保有比率は実質21.2%であり、今回の売却により6.5%に低下することになるとのことである。ラモン・アン社長の保有比率を下回ることになるが、会長兼CEOの立場は継続されるとのことでもある(12年6月29日のフィリピン証券取引所回覧4981-2012号などより)。