国交省、フィリピンの船員教育機関3校を認定
2012/06/20
昨年創設の「機関承認制度」対象校として
卒業生は個別海技能力の確認不要に
日本国土交通省は6月20日に、フィリピンの船員教育機関3校を「機関承認制度」対象校として認定したと発表した。
昨年8月に創設された「機関承認制度」は、適切な教育訓練を行っていると国土交通大臣が認定した諸外国の船員教育機関を卒業した者に対して、従来から実施している承認試験など個々の能力確認を要せずに、日本籍船の船舶職員(船長・航海士または機関長・機関士)として乗り組むことを認めるものである。
今回承認された3校は、ビコール・マーチャント・マリーン・カレッジ(航海課程および機関課程)、ホーリー・クロス・オブ・ダバオ・カレッジ(航海課程)、クリスタルeカレッジ(航海課程および機関課程)である。
国交省はこの3校に対し教育内容等について現地調査を行った結果、船舶の運航または機関の運転に関する課程を設置し海技資格取得に対応した船員教育を適切に実施していることが確認できたことから、「機関承認制度」の対象校として認定し、2012年度の卒業生から適用することとした。
なお、ビコール・マーチャント・マリーン・カレッジとホーリー・クロス・オブ・ダバオ・カレッジは、商船三井の現地教育機関マグサイサイ・インスティチュート・オブ・シッピング (MIS)とのパートナー校として提携、商船三井の訓練船「スピリット・オブ・MOL」での基礎訓練や商船三井運航船にて実習などを行っている。
一方、クリスタルeカレッジは、2008年から川崎汽船とのパートナー行として提携しK-Lineクラスを開講している。K-Lineクラス所属学生は、川崎汽船運航船による乗船訓練を行っている。
なお、「機関承認制度」発足の昨年には、NYK-TDG マリタイムアカデミー、フィリピン国立商船大学(PMMA)、フィリピン国内最大の海員組合や世界各国の民間団体らが支援するアジア・太平洋海事大学(MAAP)の計3校が認定されている。今回の3校と併せ合計6校が「機関承認制度」認定校となった。
NYK-TDG マリタイムアカデミーは、日本郵船がフィリピンにおけるビジネスパートナーのトランスナショナル・ダイバーシファイド・グループ(TDG)と共同運営する商船大学である。2007年6月に、日本郵船の創業120周年記念事業の一環として、マニラ近郊カンルーバン市開校された。このマリタイムアカデミーは「フィリピン高等教育庁」の認可を取得した正式な大学であり、3年間の講習と1年間の乗船実習の全寮制の4年制商船大学である(12年6月20日の日本国土交通省発表などより)。