住友鉱出資のニッケル・アジア、授権資本2.7倍に
2012/06/10
50%株式配当実施へ、取締役に藤村隆則氏ら選出
住友金属鉱山が出資する有力ニッケル鉱山会社であるニッケル・アジア・コーポレーション社(ナック社)は6月8日に、2012年度年次株主総会を開催した。
その株主総会において、業容急拡大に対応すべく、授権資本を現行の8憶ペソから21億3,970万ペソへと約2.7倍に大幅増額することが決議された。また、50%株式配当実施も決議された。
さらに、9名の取締役が選出された。住友金属鉱山側からは、コーラルベイ・ニッケル・コーポレーション(CBNC)などの代表者である藤村隆則氏ら2名が選ばれた。その直後の取締役会では、会長にマニュエル・サモラ,Jr氏、社長兼CEOにジェラルド・ブリモ氏が選出された。藤村氏は監査委員会メンバーにも選出された。
なお、ナック社は世界有数のニッケル資源国であるフィリピンにおいて、最大規模のニッケル鉱石生産を行う鉱山会社である。2006年2月に、それまで個別に経営されていたサモラグループ傘下のニッケル鉱山会社の資本を統合し、経営資源を集中させることにより、経営の一層の効率化を実現するために設立された。
そして、ナック社は、住友金属鉱山の重要な戦略パートナーである。ナック社傘下には、住友金属鉱山のフィリピン子会社であるコーラルベイ・ニッケル社(CBNC)へ出資するとともにニッケル鉱石を供給しているリオツバ・ニッケル・マイニング社がある。
住友金属鉱山は2009年8月にナック社に資本参加、2012年3月末時点で100%子会社である住友金属鉱山フィリピン・ホールディングス(SMMPH)を通じて、ナック社株式約19.16%(個別株主名が明示されている分)を保有している(12年6月8日のフィリピン証券取引所回覧4497-2012号などより)