社会貢献事業「GK富士ゼロックス・ビレッジ」拡充

2012/06/07

遊休PC活用の教育センター開校、住民の自立支援

 

 富士ゼロックスは、社員の深い共感と自発的なコミットメントをベースに、幅広い分野で社会貢献活動を展開している。特に、将来世代、地球環境に関わる活動に注力している。


 フィリピンの拠点である富士ゼロックス・フィリピンでも環境に配慮をした商品の提供や使用済み商品、消耗品の回収率100%を達成するなど、社会貢献や環境保全への取り組みを積極的に展開している。

 その一環として、6月2日に、首都圏タギグ市のガワッド・カリンガ富士ゼロックス・ビレッジにおいて、教育センターが開校された。この教育センターはNPO団体であるクラスフォーエブリワン(C4E、代表理事:高濱宏至)が主体となっており、住民がより安定した仕事に就くことを支援し、そして将来の自律に向けた人材開発ができることを目指している。

 デバイスの変遷や性能の向上スピードが速い先進国では、パソコンをはじめとした多くのハードウェアが消費されると共に廃棄されている。また、家庭内においてその処分方法が分からず、押入れの奥にしまってあるケースも少なくない。

 C4Eでは、これらのハードウェアを途上国で再利用して生かす道を提案し、寄付という形で途上国に届けると同時に、先進国における廃棄コスト削減とエコの促進を実現していく方針である。 そして途上国での教育機会の創設と共に、各家庭の収入を増やすためのスキル獲得を目指す。

 C4Eは今回、日本の富士ゼロックスから提供を受けた社内遊休PC10台をリユースし同教育センターで教育を行う。富士ゼロックスには、従業員自身が会社の中で本来業務以外の「自分がやりたい仕事」を挑戦する機会を提供するプログラム(バーチャルハリウッドプログラム)がある。そのプログラムの中で、富士ゼロックス社内の遊休PCをリユースし途上国へ寄付をするプロジェクトが立ち上がり、今回のPC寄付の運びとなった。

 教育センターが設置された富士ゼロックス・ビレッジは、2006年8月にフィリピンの非政府組織(NGO)であるガワッド・カリンガの活動主旨に賛同をした富士ゼロックス・フィリピンが建設資金の提供と、休日の富士ゼロックス・フィリピンの社員自らの建設活動参加によって、2007年に完成したものである。
 富士ゼロックス・フィリピンは、その後も継続してコミュニティー・スペースの拡張を進め、住民の衛生環境の整備やまた住民コミュニティーの醸成としての環境を提供している。

 なお、1995年に設立されたガワッド・カリンガは、企業や中間層以上の市民から資金提供を受け、貧困層の暮らす地域で、住民とともに壊れにくい住宅を造る事業に取り組んでいる。これまでに、フィリピン国内約2,000地区で貧困者向けの住宅約20万件を建設し、アジア大洋州など海外にも活動範囲を広げている。

 ガワッド・カリンガ代表のアントニオ・メロト氏は、このような貧困者支援活動が認められ、昨年の「第16回日経アジア賞」を受賞した。また、2006年には「アジアのノーベル賞」といわれるフィリピンのマグサイサイ賞(社会指導部門)も受賞している。