比セブン・イレブン好調、第1四半期52%増益

2012/05/25

3月末店舗数24%増の714店、年末800店目標

 

 フィリピンのコンビニエンス・ストア業界が離陸期入りし、高成長を続けている。そして、業界トップ(店舗数シェアで約50%)のセブン・イレブンをミニストップやマーキュリー・セルフサービスが追うという構図になっている。

 

 フィリピンのセブン・イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが56.59%を所有(2012年3月末現在)するフィリピン・セブン社(PSC)によって運営されている。PSCは1982年11月に設立され、同年12月に米国テキサス州ダラスのサウスランド社(その後セブン-イレブン社に社名変更)からフィリピンでのセブン-イレブン運営ライセンスを獲得。1998年2月4日に、フィリピン証券取引所(PSE)に上場した。

  このPSCが2012年度第1四半期(1月~3月)報告書を公表した。それによると、2012年第1四半期のPSC総収入は前年比37%増の29億4,964万ペソ、商品売上高は同39%増の26億7,576万ペソ、純利益は同52%増の5,634万ペソと大幅増収増益決算となった。

 2012年第1四半期は、天候に恵まれたこと、新規出店効果、商品構成見直し、効率化、公共料金支払いやクレジットカード取り扱い拡大などによる一層の顧客利便性向上などにより好決算となった。

 PSCは、2012年第1四半期中に27店をオープン、2店を閉鎖した。この結果、2012年3月末のフィリピンでのセブン・イレブン総店舗数は714店に達し、2011年末の689店から25店の増加となった。前年同月末の577店からは137店、率にして24%増加した。714店舗のうち、直営店が250店舗、フランチャイズ店が464店舗である。
 
 フィリピンでのセブン・イレブン第1号店は、1984年2月にケソン市エドサ通り沿いにオープンした。当初の出店ピッチは鈍かったが、2000年の小売業界規制緩和を契機に出店ピッチが速まった。そして、2006年末287店、2007年末311店、2008年末368店、2009年末447店、2010年末551店、2011年末689店、2012年3月末714店と順調に拡大している。PSCは2012年に150店出店、2012年年末までに800店とすることを目指している。さらに、2013年末には1000店とする方針を表明している。

 PSCの2012年の年次株主総会は7月24日に開催される。そして、授権資本額の50%増額、株式配当実施などが承認される見込みである。

 なお、PSCアニュアル・レポートによると、2011年末のフィリピンのブランドコンビニエンス・ストアの総店舗数は前年末比17%増の1,384店。シェアはセブンイレブン50%、ミニストップ23%、マーキュリー25%、サンミゲル・フードショップ2%となっている(フィリピン・セブンの2012年度第1四半期報告書などより)。

フィリピンのブランドコンビ二エンス・ストア店舗数とシェア比較
2010年末店舗数 2011年末店舗数 2011年末シェア
セブン・イレブン 551 689 50%
マーキュリー・セルフサービス 287 345 25%
ミニストップ 336 325 23%
サンミゲル・フードショップ 13 25 2%
合計 1,187 1,384 100%
(出所:フィリピン・セブン資料より作成、ミニストップ店舗数は日本側発表と多少異なる