比パナソニック、純利益25%増の5,698万ペソ
2012/05/24
12%の減収をコスト削減でカバー:2011年度
家電、5%減収も税前利益は倍増の2億ペソ
パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンズ(PMPC、会計期末3月)は、6月15日に年次株主総会を開催する。開催場所は、リサール州タイタイのPMPC本社オーデトリアム・ビルディング。
その株主総会通知に記載されている2011年度(2011年4月~2012年3月)決算の内容は以下の通り。なお、PMPCの設立は1963年5月14日(旧名フェスティバル・マニュファクチャリング社)。日本のパソニック本社のPMPC保有比率は、2012年3月末時点で79.96%である。PMPCはフィリピン証券取引所(PSE)に上場されている。
2011年度の売上高は、前年度比12.0%減の59億4,273万ペソにとどまった。家電などの需要低調、競争激化にくわえ、世界経済変調、東日本大震災や福島原発事故にともなう第1四半期の輸入商品供給減少などが響いた。ちなみに、前年度は輸入商品(プラズマ・ディスプレイパネル、液晶ディスプレー、SACインバータなど)の売上高が大幅増加したことなどで10%増収であった。
損益面では、原材料価格上昇などで原価率が76.0%へと上昇(前年度は75.1%)、総利益は同15.5%減の14億2,356万ペソへと減少した。しかし、販売費を同21.6%減の8億9,735万ペソへと大幅削減したこと、 その他収益が同18.1%増の9,159万ペソへ増加したことで、税引き前利益は同35.8%増の8,551万ペソと二桁増加となった。
税金引当が62.9%増の2,853万ペソへと増加したが、最終純利益は同25.4%増の5,698万ペソとなった。
部門別売上高は、主力の家電部門が前年同期比4.7減の49億2,336万ペソ(構成比82.8%)、AVCネットワーク関連(映像・音響・コミュニケ―ション製品など)が同57.6%減の4億2,640万ペソ(構成比7.2%)、その他が同2.5%増の5億9,297万ペソ(構成比10.0%)であった。
部門別税引き前損益は、家電部門の黒字が同104.8%増の2億0,441万ペソへと倍増。一方、AVCネットワーク部門の赤字が同77.6%減の9,152万ペソへと縮小した。一方、その他部門は6,955万ペソの赤字に転落(前年度は8,358万ペソの黒字)と報告されている(上記数字は全て株主総会通知からのものである)。
2011年度の設備投資額は同63.3%減の7,407万ペソであったと報告されている。そのうちの51.8%に相当する3,833万ペソが家電部門に投入された。家電部門投資額は前年度比では71.5%の減少となっている。
2011年度は、二桁減収を、販売費や投資大幅削減などコスト低減によりカバー、税引き前利益や最終純利益は二桁増という結果となったが、ピーク時に比べ利益水準は低いし、本業は低調が続いているといえる。
PMPCは、一段の生産効率化や環境配慮型製品(エコ製品)積極投入などによる業績向上を目指している。なお、4月1日付けで、三洋フィリピンのコールド・チェーン・ビジネスを取得した。この取得は、PMPCにとって、年間1億2,000万ペソの増収につながると試算される(パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンズの株主総会通知などより)。
パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンズの2011年度の部門別売上高・損益動向(単位:千ペソ)
項目/部門 | AVC ネットワーク | 家電 | その他 | 合計(連結調整後) |
売上高 | 426,397 | 4,923,358 | 592,972 | 5,942,727 |
前年度比 | 57.6%減少 | 4.7%減少 | 2.5%増加 | 12.0%減少 |
構成比 | 7.2% | 82.8% | 10.0% | 100.0% |
税引き前損益 | -20,486 | 204,411 | -69,553 | 85,512 |
前年度比 | 赤字77.6%減少 | 黒字104.8%増加 | 赤字転落 | 黒字35.8%拡大 |
前年度実績 | -91,519 | 99,794 | 83,577 | 62,992 |
設備投資額 | 8,253 | 38,333 | 27,484 | 74,070 |
前年度比 | 81.8%減少 | 71.5%減少 | 54.2%減少 | 63.3%減少 |