銀行・金融業界、第1四半期も大幅増益

2012/05/22

最高益続出の昨年から上昇ピッチ強まる
BPI、PSBank、ファースト・メトロは倍増益
証券取引所やネット証券COLも60%増益

 2012年度第1四半期(1月~3月)の企業業績発表が出揃ってきた。昨年は、国内外景気鈍化や年前半のインフレや金利上昇という環境下にもかかわらず、企業業績は堅調に推移、株価上昇の大きな要因ともなった。特に、金利敏感セクターである銀行、不動産というセクターにおいて最高益続出という予想外の好結果となった。

  2012年第1四半期もこの両セクターの業績が非常に好調に推移している。まず、銀行・金融業界の動向は以下の通り(個別の業績動向はレポート済みであり詳細は省く)。

 商業銀行上位行に関しては、アヤラグループの優良銀行ザ・バンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランズ(BPI)の純利益が前年同期比107%増(約2倍)の58億ペソへと大幅増加した。

 当地の最大銀行(総資産ベース)であるBDOユニバンク(BDO)の純利益は同15%増の28億ペソと二桁増加、総資産第2位のメトロバンクの純利益は同40%増の43億ペソと大幅増益となった。リサール商業銀行(RCBC)の純利益も同49.5%増の15億3,000万ペソへと大幅増加、フィリピン・ナショナル・バンク(PNB)の純利益は前年同期比11倍の12億ペソへと急増した。

 これら上位5行は純金利収入が堅調にしたことにくわえ、証券市場活況などにより、売買益など非金利収入が大幅増加したことで好決算となった。このまま推移すれば、2012年は連続最高益続出という可能性がある。

 一方、メトロバンク傘下の有力貯蓄銀行フィリピン・セービング・バンク(PSBank)の第1四半期の純利益も同94%増の5億4,600万ペソへとほぼ倍増となった。同じく、メトロバンク傘下の投資銀行であるファースト・メトロ・インベストメント(FMIC)の純利益は前年同期比127%(約2.3倍)の9億7,900万ペソに達した。

 さらに、有力オンライン証券会社であるCOLフィナンシャルズ・グループ(COL、シティセックオンライン・ドット・コムから社名変更)の純利益は同58%増の1億3,000万ペソへと大幅増加した。3月末の顧客数は前年同期末の1万8,000人からは78%の増加となった(詳細は下項にて)。

 また、フィリピン証券取引所(PSE)の純利益も同57.8%増の1億4,408万ペソへと大幅増加した。

 このように、PSE上場の商業銀行、貯蓄銀行、投資銀行、証券会社、そしてPSE自身といずれも大幅増益決算を発表した。