サンミゲルの第1四半期、19%増益に
2012/05/13
12%増収、営業利益は13%減の148億ペソ
キリン出資のサンミゲル・ビール堅調
多角化を推進中のサンミゲルが2012年度第1四半期(1月~3月)の決算発表を行った。
2012年第1四半期の収入は前年同期比12%増の1,420億ペソ、営業利益は同13%減の148億ペソ、金利・税金・償却前経常的利益(経常的EBITDA)は同6%増の216億ペソ。株主帰属純利益は同19%増の85億ペソであった。
ビール部門がスピンオフして発足したサンミゲル・ビールの販売数量は前年比4%減の5,450万ケース。内訳は国内が6%減の4,580万ケース、海外が同9%増の870万ケースであった。しかし、売上高は同5%増の183億ペソ、営業利益は同5%増の53億ペソと増収営業増益決算となった。2012年3月末時点でのキリン・ホールディングスのサンミゲル・ビール保有比率は約48.39%で、サンミゲルの約51%に次ぐ大株主となっている。
洋酒部門(ヒネブラ・サンミゲル)の販売数量は、同24%減の600万ケースと大幅減少した。売上高は同20%減の37億ペソ、営業損益は1億1,500万ペソの赤字に転落(前年同期は8,500万ペソの黒字)と不振であった。
食品部門の売上高は同9%増の224億ペソ、営業利益は同58%減の6億6千万ペソ。一方、パッケージ部門(サンミゲル山村パッケージング)の売上高は同3%増の59億ペソ、営業利益は同11%増の5億ペソと堅調。
新規事業である電力関連事業の発電量は同11%増の390万9千ワット、収入は同19%増の194億ペソ、営業利益は同46%増の50億ペソに達した。サンミゲルの発電事業は、2010年第3四半期から、持ち株会社SMCグローバル・パワー・ホールディングスのもとに集約されている。
石油製品部門(国内最大の石油元売り企業であるペトロン)の売上高は同17%増の747億ペソ、営業利益は同35%減の46億ペソと増収減益であった。
発電事業やペトロンの収入がサンミゲル全収入の66%を占めるなど、新規事業の業績寄与度が高まるとともに、従来事業のビール部門なども堅調に推移している。
エッソ・モービル・マレーシア石油川下事業買収(総額5億7,730万米ドル)が完了しつつあるうえ、カティクランのボラカイ空港拡張工事建設、タ―ラック~ラ・ウニオン高速道路建設(第1期のタ―ラック~ジェロナ間は2012年第4四半期に完工予定)、南ルソン高速道路やスカイウエイ事業参画、フィリピン航空やエアフィルの持株会社株式49%取得や経営参画などサンミゲルの新規事業拡大に拍車がかかっている。
なお、3月末時点での総資産は9,769億ペソ、現金残高は1,448億ペソ、利付き負債残高は3,316億ペソ、流動比率は1.57、負債対自己資本比率は2.00となっている(12年5月11日のフィリピン証券取引所回覧2381-2012号などより)。