ロックウェル・ランド新規上場、今年3社目
2012/05/11
11日にIPO(新規公募)なしの紹介方式で
初日終値は基準価格の3.4倍、一時5.3倍に
5月11日に、有力不動産企業ロックウェル・ランド(RLC)が、フィリピン証券取引所(PSE)に新規上場された。
RLCの中心事業は、マニラ電力(メラルコ)のマカティ市発電所跡地(15.5ヘクタール)の再開発・管理・運営である。RLCが開発し管理しているロックウェル・センターは、高級ショッピングモール「パワー・プラント}や最高級コンドミニアムが立ち並ぶ商業・住宅複集積地となっている。現在はフォート・ボニファシオのグローバル・シティと並ぶ人気スポットとなっている。コンドミニアム賃貸料もフィリピン最高水準となっている。
RLCの2011年の収入は前年比26%増の62億ペソ、純利益は同14%増の9億1,500万ペソであった。
このRLCの新規上場は、4月20日のGTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)、5月7日のイースト・ウエストバンク(EWB)に続く今年3社目の新規上場となった。ただし、RLCの上場方法はイントロダクション(紹介)方式であった。イントロダクション方式とは、新規公募(IPO)を実施しないで、既存株式を直接上場させる方式である。したがって、2012年の新規上場企業数はこれまでで3社となっているが、IPO実施企業は2社である。
従来、RLC株式の51%はメラルコ、49%はファースト・フィリピン・ホールディングス(FPH)によって所有されていた。メラルコは昨年12月12日の定例取締役会において、保有するロックウェル・ランド株式51%を、メラルコの株主に対する現物配当として放出することを決議した。この現物配当は4月23日に実施された。
この現物配当により、RLCの株主数は一気に増加、4万8,269人となった。そして上記のようにRLCは、イントロダクション方式により、フィリピン証券取引所(PSE)に上場することが決定された。なお、イントロダクション方式での上場の場合は、上場後一年以内にIPOを実施することが義務付けられている。
RLCの上場株式数は62億2,283万株、上場参考基準株価は1.46ペソと設定された。上場初日(5月11日)の始値は参考基準株価の約5.3倍の7.70ペソとなった。この日の高値は7.71ペソ、安値は4.02ペソで、終値は4.90ペソであった。終値も参考基準株価の約3.4倍という水準である(12年5月11日のフィリピン証券取引所記録などより)。