テルモ、フィリピンなどで生産能力増強へ

2012/05/10

ラグナ・テクノパークで注射器や針製品増産
ベトナムでは新工場建設も、総投資額150億円

テルモ(本社:東京都渋谷区)は、今後の成長戦略に基づき、中長期的に見込まれる需要の増大へ対応するため、海外の生産拠点を拡張する。

 ベトナム国内に2拠点目となる新工場を開設するほか、ベトナム、フィリピンの既存工場の規模を拡張する。投資総額は150億円である。

 新設するベトナム工場では、新興国をはじめ、世界で拡大する血液需要の増加に対応するため、血液バッグ類の生産を行う。また、既存のベトナム工場では、日本の愛鷹工場(静岡県)と新設する山口工場(2015年操業予定)と技術連携し、二桁成長を続けるカテーテル製品の生産規模を拡張する。
 さらにフィリピン工場(テルモ・フィリピンズ)では注射器、注射針の増産に対応するため、新棟を建設する。成長へ向けてグローバル競争力を高めるため、心臓血管、ホスピタル、血液システムの3つの事業領域すべてにおいて生産基盤を整えていく。

 テルモでは、グローバルで成長を加速しており、海外売上高比率が半分を超える中、海外生産比率も同様に引き上げる予定である。この中で、アジアを世界の生産センターとして位置づけ、すでに中国、フィリピン、ベトナムで生産を行っている。

 一方、医療機器には、開発から生産まで切り離すことができない製品開発プロセスがあり、また、海外への移管が難しい高度で精密な生産技術がある。海外生産比率を高めながら、国内生産拠点は、ものづくりのコア技術の育成と、改良改善を支える生産技術を磨くマザー工場として位置づけている。アジアと日本を軸にグローバル生産体制を整え、コスト競争力を高めながら世界の需要に応えていく方針である。ちなみに、現在の生産拠点は24(国内 5 海外19)となっている。

 なお、フィリピンの製造拠点はテルモ・フィリピンズで、ラグナ州ビニャンのラグナ・テクノパークに立地する。今回、 アジア、米州他、グローバルに需要が高まる注射器、針の増産に対応するため、既存工場の敷地に新棟(延床面積 9,700平米)を建設する。新棟での生産開始時期は 2013年春頃(予定) 、出荷先は世界各国となる(12年5月10日のテルモ株式会社ニュースリリースより)。