フィリピン株価上昇率、今年もアジア最高ペース
2012/04/24
4ヵ月半のリターン、21.8%でアジアで首位に
2位はタイの19.5%、最下位インドネシアの5.9%
フィリピン株式市場の非常に強い動きが続いている。フィリピン経済の堅調さ、経常収支が黒字であること、今後の有望性に対する注目度が高まっていることなどが反映されている。
フィリピンの代表的な株価指数であるフィリピン証券取引所株価指数(PSEi)は、2011年に4.1%上昇した。2009年の63.0%、2010年の37.6%に続いての3年連続の続伸となった。 2011年年間上昇率4.1%はその前の2年間に比べ急鈍化したかたちとなったが、世界的な株価調整のなかでは、相対的には非常に強かった。世界の流動性のある株式市場の中では、米国NYダウ工業株30種平均の5.5%上昇に続く第2位のパフォーマンスであった。アジアのなかでは、インドネシアの同3.2%上昇を上回り上昇率トップであった。
2012年に入って、PSEiは上昇ピッチを高めている。4月18日には場中の瞬間値ベースでの史上最高値5,219.29ポイントと終値ベースでの史上最高値5,186.20ポイントとを記録した。この時点でのPSEiの年初からの上昇率は18.6%に達している。
なお、投資分析企業であるラッセル・インベストメント社は、「ラッセル・アジア太平洋株価インデックスの2012年年初から4月16日までのリターン(配当などを加味した総合的株価パフォーマンス、単純な上昇率とは異なる)は、10.3%上昇となった」と発表した。
この期間の各国インデックスについては、フィリピンの21.8%上昇が最高のリターンであった。2位はタイの19.5%、3位がシンガポールの18.7%、4位がインドの17.5%、5位が台湾の13.2%。 以下、中国と香港の 13.0%、ニュージーランドの12.9%、韓国の12.4%、豪州の9.3%、マレーシアの8.7%、日本の6.7%、インドネシアの5.9%となっている。
注目されるのは、昨年の主要国株価上昇率ランキングで世界第2位、アジア首位であったフィリピンが、今年のパフォーマンスも現時点ではアジア最高ということである。昨年、フィリピンと首位を争ったインドネシアのパフォーマンスは今年4月央時点では、プラスながら、アジア主要国のなかで最下位に沈んでいる。この点で、フィリピンの株式市場の強さが際立っているといえる(ラッセル・インベストメント社のウエブサイトなどより)。
フィリピン証券取引所指数、ペソ対米ドルレートの動き(年末、もしくは月末値、2012年は4月18日)
フィリピン証券取引所株価指数 | ペソ対米ドルレート | |||
年 | 年末・月末値 | 上昇率 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2007年 | 3,621.60ポイント | 21.4% | 41.280ペソ | 15.8% |
2008年 | 1,872.85ポイント | -48.3% | 47.520ペソ | -15.2% |
2009年 | 3,052.68ポイント | 63.0% | 46.200ペソ | 2.8% |
2010年 | 4,201.14ポイント | 37.6% | 43.840ペソ | 5.1% |
2011年 | 4,371.96ポイント | 4.1% | 43.840ペソ | 0.0% |
2012年4月18日 | 5,186.20ポイント | 18.6% | 42.650ペソ | 2.7% |