アヤラコープの新取締役に三菱商事の天野氏

2012/04/21

今年の設備投資額、史上最高の910億ペソ予定

 アヤラコープは、4月21日にマカティ市ホテル・インターコンチネンタルにおいて、2012年度年次株主総会を開催、次の7名の取締役を選出した(役職は株主総会直後の組織化会議で決定されたもの)。

 


 ハイメ・アウグスト・ゾベル・デ・アヤラ氏(会長&CEO)、フェルナンド・ゾベル・デ・アヤラ氏(副会長兼社長兼COO)、デルフィン・ラサロ氏、天野善夫氏(三菱商事の新マニラ支店長)、ハビエル P.ロイナス氏(独立系取締役)、ラモン・デル・ロサリオJr氏(独立系取締役)、アントニオ・ホセ・ペリケット氏(独立系取締役)。

 上記7名のうち天野氏を除く6名は再任である。天野氏は、前マニラ支店長の一木伸也氏の後任取締役として選出された。 三菱商事はアヤラ・コープの主要株主(普通株式保有比率10.9228%:2012年3月末)であり、アヤラコープ取締役(定員7名)のうち1名を占めている。
 
 天野氏は取締役に選出されるとともに、エグゼクティブ委員会、監査・リスク委員会、人事・待遇委員会のメンバーにも選出された。最高意思決定機関の一つでもあるエグゼクティブ委員会はハイメ・アウグスト・デ・アヤラ会長が委員長で、フェルナンド・ゾベル・デ・アヤラ社長と天野氏の3名で構成される。

 なお、アヤラコープは、高水準の投資を継続する方針であり、2012年の設備投資予定額は史上最高の910億ペソである。主に、不動産開発、通信ネットワーク拡充、水道事業の投資などに充当される。

 また、電力、道路、鉄道、空港、水道などのインフラ事業への投資額は、今後5年間で約2,000億ペソと高水準になる見込みである。特に、官民連携(PPP)インフラ・プロジェクトに積極参画する方針である。

 特に、電力事業を新たな収益の柱の一つと位置付け、急ピッチで電力事業基盤構築を進めてつつある。電力事業に今後5年間で210億ペソ(約5億ドル)投資、早期に発電能力1,000メガワット以上の体制構築を目指す。傘下のフィリピン・インテグレイティド・エナジー・ソリューションや(PIESI)やエコゾーン・パワー・マネジメント社(EMPI)が、エネルギー規制委員会(ERC)から、小売電力供給企業(RES)ライセンスを授与されている。

 三菱商事はフィリピン・インテグレイティド・エナジー・ソリューションや(PIESI)に資本参加、フィリピンにおいて、省エネルギー事業(地域熱供給事業やESCO事業)に参画しつつある(12年4月20日のフィリピン証券取引所回覧2971-2012号などより)。