銀行口座保有世帯比率21.5%、証券保有は0.4%
2012/04/18
住宅保有69%、家電87%、自動車等24%
中央銀行の第1回家庭財務調査結果
フィリピン中央銀行(BSP)は国内初の消費者財務に関する調査(CFS)を実施し、その結果を発表した。CFSは財産・借財・所得・保険・支出等を含む家庭の財務状態に関するデータを収集するものである。
調査対象は合計1万520世帯で、内訳は首都圏(NCR)3,872世帯(シェア36.8%)、地方(イロコス、中央ビサヤ、ダバオ地方)6.648世帯(シェア63.2%)。回答率は89.4%であった。
調査から集めたデータの参考期間は様々で、人口、資産・負債、嗜好・行動に関するデータは2009年11月~2010年1月に実施したインタビューから集めたもの。一方、仕事、所得、支出に関するデータは2008年年間にわたり集めたものである。回答者の性別は女性が59.8%、年齢層は21~64歳が85.7%、学歴は高卒~大卒が55.2%と最も多かった。
調査実施が3~4年前と古く、現在とは大きく変わっている部分があると推測されるが、2009年時点では、調査回答世帯における資産保有比率トップ3は、1位家電(保有比率87.1%)、2位住居(同68.8%)、3位退職年金保険(同42.7%)。自動車・バイク保有比率は24.3%であるが、そのうち、54.9%がバイクである。なお、株式、債券、投信などの証券保有比率は僅か0.4%に過ぎなかった。
一方、負債の保有比率トップは個人・給料・多目的ローン(保有比率20.9%)、2位は自動車ローン(同13.5%)、以下、その他ローン(同5.8%)、クレジットカードローン(3.9%)、住宅ローン(3.7%)と続く。住宅ローンの大半は政府機関からのものである。
持家に関しては、質はともかくとして、回答者の68.8%が住宅を所有しており、そのうちの38%は家と土地の所有・共同所有者、30.8%が家のみの所有・共同所有者)であった。
銀行預金口座保有世帯比率は僅か21.5%であった。すなわち、78.5%の世帯は銀行預金口座を保有していない。その理由のトップは預金する金がない(回答比率92.8%)、預金の必要がない(1.7%)、預金最低要求金額が高すぎる(1.2%)、銀行との取引を好まない(1.0%)などである(12年4月18日のフィリピン中央銀行発表より)。