フィリピン株ファンドの運用実績第1位(国際株式型)

2012/04/17

全ファンドの中でも第3位、3月末時点の1年間実績
24.8%上昇、キャピタル アセットマネジメントが運用

 キャピタル アセットマネジメントが運用する「フィリピン株ファンド」の過去1年の上昇率が24.8%となり、国際株式型カテゴリーの運用実績ランキングで第1位(モーニングスター集計・発表、過去1年、2012年3月末)となった。


 これは2月に引き続き2 ヵ月連続の首位である。なお、全ファンドを対象としたランキングでも第3位(前月の6 位から上昇)という好成績であった。また、同社が運用する「ドラゴン・キャピタル・ベトナムファンド」についても、国際株式型カテゴリーの第10位にランキングされた。

 「フィリピン株ファンド」は、純資産総額10 億円以上のファンドとしては唯一の「フィリピン市場へ投資するファンド」である。フィリピンは、若い人口を基盤とする旺盛な内需のほかにも、卓越した英語力を武器に世界に展開するOFW(在外フィリピン人就労者)を強みとするユニークな経済構造を有する。

 なお、欧州債務問題で世界的に株価が不安定となった昨年より、フィリピン株式市場は強い動きを見せている(4月17日も史上最高値更新:詳細は下項にて)。そのフィリピン経済、株式市場の成長を享受することを目指し、「フィリピン株ファンド」は運用されている。キャピタル アセットマネジメントは、以下のように、2011年を総括するとともに、今後の予想や運用方針を説明している。
 

<2011年の総括>
 2011年は、石油価格の高騰、不安定な中東情勢、欧州の景気低迷などの外的要因、ミンダナオ地方北部を襲った台風21 号で農作物の被害やインフラ事業の遅れが生じるなど様々な逆風のなか、フィリピンのGDP成長率は、政府予想を下回る3.7%にとどまった。
 このような環境のなか、欧州債務問題の深刻化による世界的な株価不安定の影響を受けながらも、フィリピン株は秋口から力強く立ち直り、2011年の年間パフォーマンスで、世界でも数少ない前年比プラスの市場とななった。

<今後の見通し: 魅力的な人口構成、官民連携事業など、短期~中長期的に成長を見込む>
 フィリピンの人口ボーナスのピークは2045 年頃になると予想されている(国連による)。人口ボーナスとは、「生産年齢(15~64 歳)人口が総人口に占める割合」をいい、この割合が高いと、労働力が豊富で消費や税収が増え、教育や医療、年金など社会福祉の負担が軽いことを意味し、貯蓄率の上昇や投資の活発化から経済成長の要因となる。日本は高度成長期に人口ボーナス期を迎えた。このような人口統計から、フィリピン経済は長期的に内需をけん引役として、底堅い動きが続くとみられる。

 アジア開発銀行は、フィリピンのGDP 成長率について、2012年は5%に達し、中長期では6~7%となると予測している。その根拠として、経済成長が特定の一分野に依存せず輸出や消費、投資など多岐にわたっていること、特に①ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)、②金融、③不動産などサービス部門の堅調な伸びや、OFW からの送金額が増加傾向を続けていることを挙げている。なお、課題としては、交通やエネルギー、通信などインフラ整備の強化とグッド・ガバナンス(良き統治)への取組みが挙げられる。

<運用について: 消費関連、インフラ関連、銀行などが有望>
 インフレの落ち着きから金融緩和政策が継続されるものと考えられ、これが国内消費と融資需要の押上げ
に寄与する可能性がある。また、フィリピン政府は官民連携事業の着工を促進している。このような動きなどにより、フィリピン株式市場は今後も堅調に推移すると予想している。特に、消費関連、インフラ関連、銀行などの銘柄が恩恵を受けると見ており、これらの業種を中心に投資する計画である(キャピタル アセットマネジメント株式会社やモーニングスター株式会社のウエブサイトなどより)。