エプソン、フィリピンでも社会貢献活動さらに拡充

2012/04/14

環境パフォーマンス賞など多くの賞を受賞


 セイコーエプソン(エプソン、本社:長野県諏訪市)は、「経営理念」にある「社会とともに発展する開かれた会社でありたい」を受け、事業活動を営む世界各地の地域社会に密着した社会貢献活動を展開している。

 


 エプソンは旧来の「美徳の社会貢献」から、「戦略的社会貢献」へと方向転換している。つまり、寄付や協賛だけの支援から、事業を支えている技術力・ノウハウを活用した支援、さらに人的貢献による支援も含め、時代に即した社会貢献を実践している。

 最近も、エプソンならびにエプソン販売が、カタリナマーケティングジャパン(カタリナ)と共同の環境貢献活動として、2012年4月より使用済みカートリッジのリサイクルによる再生インクカートリッジの供給を日本で開始すると発表されている。
 
これはカタリナが日本全国の小売チェーン店舗に設置したインクジェット式クーポン発行用プリンター「TM-C700」約3万台の使用済みインクカートリッジを設置店舗から回収し、エプソンにて新品と同様な品質管理のもと、部品の大部分を再使用し、インクを再充填して再度店舗で使用するものである。
 この取り組みにより、新品のカートリッジと比較してライフサイクルでの環境負荷を約56%低減し、対象クーポンプリンターのカートリッジにおけるCO2排出量は年間約39.5トンの削減が見込まれる。

 エプソン・グループは、フィリピンでも、積極的な社会貢献活動を展開している。

 例えば、製造拠点であるエプソン・プレシジョン・フィリピン(EPPI)は、環境保全と地域への社会貢献を目的に、フィリピンの大手バッテリーメーカーであるモトライト社が主催する“バリック バッテリー プログラム”へ参加している。このプログラムは、使用済みバッテリーを回収して換金し、フィリピン国内の教育支援に役立てる活動である。

 EPPIは2010年から同プログラムに参加しており、これまでに合計2,300kgのバッテリーを63,000フィリピン・ペソ(約12万円)と交換した。この資金を活用して、バタンガス州リパ市のLodlod小学校とKayumanggi小学校に、絵本や教科書、参考書などと一緒に本棚やテーブルを寄贈した。これらを備えた部屋は「ラーニング・リソース・センター(学習資料室)」として活用されている。フィリピンの公用語はフィリピノ語と英語であるが、英語が苦手な生徒も多いため、英語で書かれているフィリピンの童話などの絵本は勉強に役立つと喜ばれている。

このプロジェクトは、活動自体はとても単純なものであるが、EPPIの社会貢献活動の転機となった。教科書を手にした子供たちが、勉強できる喜びに目を輝かせ、彼らの将来の可能性を大きく広げることができたことに、協力したEPPI全社員もやりがいを感じることができましたとのことである。

 また、EPPIは、2004年8月に植林・育林プログラムをスタートし、マキリン山で活動を展開している。2012年までの3カ年計画で1.5ヘクタールに植林する予定でもある。また10代の若者に向けたプロジェクトも立ち上げ、地元の高校生や教師とともに植林を行っている。これはWeb上で植物を育て農場を運営するゲームに参加している若者に、パソコンのなかだけでなく、実際に植林を体験してもらうことが大切だと考えたからである。

 昨年12月にフィリピン南部を襲った大型台風21号の被災に対しては、エプソンの現地法人3社(EPPI、フィリピン・エプソン・オプティカル、エプソン・フィリピンズ)が義捐金100万ペソの寄付を実施するとともに、従業員が被災地に赴いて、支援物資配布作業などに協力した。

 このようなフィリピンにおける取り組みは高く評価され、様々な表彰を受けている。例えば、、2010年10月にフィリピン・エプソン・オプティカルがASEANエネルギー賞(ASEANエネルギ―センター)、2010年10月にフィリピン・エプソン・オプティカルがサクセス・ストーリー賞(フィリピン公害防止協会)、2011年3月にEPPIが環境パフォーマンス賞を(フィリピン経済区庁=PEZA)、卓越した雇用主賞(PEZA)を受賞している。