警官制服者による犯罪、連休中にも発生との報道

2012/04/08

邦人が被害、日本大使館が注意喚起した矢先
事件への対処方法や連絡先などの案内直後に

 現地報道によると、4月5日マニラ市エルミタの路上で喫煙していた旅行中の邦人が、警察らしき制服姿の3人組によって、禁止されている路上喫煙を理由に拉致された揚句70万円相当の金品を奪われるという事件が発生した。

 この事件前日の4月3日に在フィリピン日本国大使館が、邦人社会に対し、「警察官の制服を着用した2~3人組による事件への対処方法」というタイトルの案内を行い注意喚起した矢先の出来事であった。その案内のなかの例示犯罪とほぼ同様な事件がまたも発生したのである。4月3日の在フィリピン日本国大使館による注意喚起の内容は次の通りのとおり(以下:ほぼ原文のまま)。

1.昨年夏以降,マニラ首都圏において,邦人が警官の制服を着用した2~3人組に言いがかりをつけられ、金品を奪い取られる事件が発生している。在フィリピン日本国大使館(以下、大使館)では、大使館幹部がバルトロメ比国家警察庁長官(今年年1月)、プリシマ比国家警察マニラ首都圏警察局長(今年3月)をそれぞれ訪問し、類似事件の再発防止とともに邦人の安全確保を申し入れた。

2.また、大使館は3月22日に、フィリピン在留邦人社会における主だった組織・団体で構成している「安全対策連絡協議会」をフィリピン国家警察(PNP)本部及びマニラ首都圏警察局からの出席者を得て開催した。

その際、PNP関係者から,次のような諸点につき理解しておくよう説明があった。
(1)本物の警官の特徴
①長髪であったり,髭,顎髭を伸ばしたりしない。
②名札及び各警官固有の6桁のシリアル番号がついたバッジが制服の胸に装着されている。
③常時身分証明証を携行している(同証明証の提示を求め、現場でではなく警察署で話をすると述べて、警察署に連れて行って欲しいと告げることも有効な対応とのことである)。
④公務で使用するのは警察車両(パトカー)のみで一般車両は使用しない。また、パトカーにはプレート番号とは別に車両の側面に識別番号が大きく記載されている。万が一の場合、この識別番号が役に立つ(特にマニラ首都圏においては、殆ど全てのパトカーにGPS{衛星測位システム}が搭載されているので、パトカーの識別番号を記憶しておけば、当該車両の位置を確認することに役立つとのこと)。
⑤検問(チェックポイント)には、必ずパトカーが付近に駐車している(パトカーが駐車していないところで検問が行われているとすれば、違法な検問であるとのこと)。

(2)フィリピン国家警察(PNP)が警官に対して指示していること
①(今年年3月中旬以降の新たな取り組みとして)、特に路上において、外国人が支援や助けを警官に求めない限り、警官の方から外国人に接触しない(PNPの職務執行上、警官が身分証明証の提示を求める場合には、警官は警官であることを明らかにして、その理由 ({具体的事由 )}を伝えることとされている)。
②検問の際は、交通違反をおかしていない限り、警官は車両の外から視認により内部を確認するのみで、ドアやトランクを開けて車内を見せるように要請はしない。

(3)警官からアプローチを受けた場合の対応ぶり
①警官から身分証を求められた場合には、身分事項を証明できるもの(旅券/手許にない場合はコピー、フィリピン滞在許可証、フィリピン運転免許等)を提示し、落ち着いて対応する。
②金銭を求められる等理不尽な対応を受けた場合には、マニラ首都圏警察局が24時間対応している以下の連絡先に速やかに一報(電話,テキスト/英語)する。
02-838-3203/0916-787-0885
(テキスト専用)0915-888-8181/0999-901-8181
③正式に被害届を提出する。その際、警官の氏名及び6桁のシリアル番号とともに車両番号を記憶していれば伝える。また、届を提出するためにも、最寄りの警察署が何処にあるのかを予め確認しておく。

 万が一、類似の事件に遭遇した場合には、大使館にも一報願いたし。大使館は、PNPに対し、邦人の安全確保に万全を期すよう今後とも強く求めて行く方針である(12年4月3日の在フィリピン日本国大使館案内より)。