りそな銀行、フィリピンRCBCと業務提携

2012/03/30

3月30日に正式発表、日系企業向け業務拡充へ
 

りそなグループのりそな銀行は、3月30日に、フィリピンのリサール商業銀行(RCBC、本店マカティ市)との間の業務提携合意を正式発表した。

 



 発表によると、りそな銀行は、RCBCとの間において、フィリピンにおける金融機能の提供(取引先企業の現地法人に対する融資取引等)を始めとする業務提携に関して合意した。

  取引先企業のアジア地域への海外進出が加速するなか、りそな銀行では現地における金融ニーズに対応するため、親密な海外の銀行との業務提携を進めてきた。そして、日本企業の集積が進むフィリピンでの取引先企業のニーズに応えるため、RCBCとの間での業務協力合意書締結に至った。

 RCBCの2011年末の総資産は3,501億ペソ、受け入れ預金残高は2,568億ペソで、いずれも、フィリピンの商業銀行で第4位の規模である。2011年の純利益は前年比18%増の51億8000万ペソへと二桁増加、世界金融危機の影響から回復した2009年以降、3年連続の業績続伸となっている。

 支店網拡充やATM台数増加などネットワーク拡充を推進しており、2011年末の支店数は389店(前年末は371店)、ATM台数は761台(同609台)へと増加。顧客数も340万人に達している。

 RCBCは、業容拡大の一方で、財務体質の向上、自己資本拡充も推進してきた。この結果、2011年末の自己資本比率(CAR)は19.31%と高水準で、中央銀行の最低基準10%を大幅に上回っている。補完資本(TIER2)を除いた中核自己資本(TIER1)比率も14.58%と高く、中央銀行の最低基準6%の2.4倍以上の水準である。
 一方、2011年末の不良債権(NPL)比率も1.47%と低水準。そして、前年末の3.10%から一段と急改善している。NPL貸し倒れ引当率は103.4%に達している。
 
 特筆すべきは、RCBCは 日系企業取引に長い歴史を有し工業団地をはじめ全国に協力な支店ネットワークを構築、さらには、本店内ジャパンデスクに2名の日本人を配し日系企業に対する充実した金融サービスの提供を行っていることである。

 りそな銀行は、今後、業務提携を通じて現地通貨(フィリピンペソ)建て融資・貿易金融をはじめ、顧客のさまざまな金融ニーズをサポートすることが可能となる。

 なお、りそな銀行はフィリピンのほか、中国、香港、台湾、韓国、タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドにおいて、提携銀行などを通じて現地金融機能を補完してきた。また、上海、香港、シンガポール、バンコックには駐在員事務所を設置し、木目細かいサービスを展開している。さらに、インドネシアでは、50 年を超える歴史を有しフルバンキング機能を提供できる現地法人りそなプルダニア銀行を通じて、顧客の広範なニーズに応えている。今後、海外でのサービス機能拡充を一段と推進していく方針である(12年3月30日のりそな銀行ニュースリリースなどより)。