日本とADB、フィリピンの就学前教育普及を支援

2012/03/24

貧困削減日本基金が保育園増設に150万ドル

 日本とアジア開発銀行(ADB)は、フィリピンの小学校就学前教育の普及・充実を支援する。



 

 具体的には、フィリピンの官民連携(PPP)事業である保育園増設計画に対し、日本政府が拠出しADBが管理する「貧困削減日本基金(JFPR)」が150万米ドルを援助する。そして、南部ルソンや中西部ビサヤ地方で2014年までに建設予定の60の保育園増設資金に充当される。そして、約6,000人に保育園入園機会を提供する。

 この保育園増設計画は、フィリピン教育省(DepED)とNPO「AGAPP財団」とのPPP事業であり、JFPRのほか、DepEDも204万米ドルを拠出する。「AGAPP財団」は設備の整った保育園や図書館を建設するとともに、教師の育成・研修、効率的な教育プログラム作成などを行う。

 3月23日に、この保育園増設や資金に関する合意署名式が開催され、DepEDルイストロ長官とAGAPP財団のオーロラ・コラソン・アキノ-アベリャーダ理事長との間で署名が行われた。そして、卜部敏直在フィリピン日本国大使が立会人となった。
 
 保育園増設による就学前教育の普及・充実は、フィリピンの貧困層に対し、小中学校教育完了の準備やインセンティブを提供、ひいては、フィリピンの教育充実に資するものと期待されている。

 なお、日本は途上国の貧困削減活動のための「貧困削減日本基金(JFPR)」のほか、技術援助のための「日本特別基金(JSF)」、教育支援のための「日本奨学金制度(JSP)」等の特別基金・信託基金を通じて、ADBの活動を支援している。
 また、2007年に京都で開催された第40回ADB年次総会で発表した「アジアの持続的成長のための日本の貢献策(ESDA)」の一環として、「アジアクリーンエネルギー基金(ACEF)」と「投資環境整備基金(ICFF)」の2つの信託基金をADBに新たに設置し、ADBとのより一層の協力を図っている(12年3月23日のアジア開発銀行ニュースリリースなどより)。